騒音計の指示値と測定値は違う
騒音問題に直面した時、測定業者に相談する前に、自身で騒音を調べたいと思うのではないでしょうか。 そんな時、区役所等で騒音計を借りる事も出来ますが、最近では通販サイトで安価で購入できるので、貸し借りの手間を考えると購入した方が手軽だと考える方もいると思います。
私のお客様の場合は、殆どの方がご自身で騒音計を所有していらっしゃいました。 中には騒音発生時間やレベルなど、細かな記録を付けている方もいらっしゃいます。 その記録を拝見すると、レベルがどうのと言う前に、すごく勉強されたんだろうな、という事が伝わってきます。 そんなお客様が使用している騒音計が、アマゾンなどの通販サイトで購入した簡易騒音計なのです。
私たち計量証明事業者が使用する騒音計は、計量法に準拠した特定計量器としての騒音計です。
特定計量器とは、計量法に基づき、取引や証明における計量に使用される計量器や、主に一般消費者が生活で使用する計量器のうち、適正な計量の実施を確保するためにその構造や器差に係る基準を定める必要があるものとして政令で定める計量器のことです。
そもそもの基準が違うので、全く別物と考えなければいけないのですが、
では、どれほどの違いがあるのでしょうか。
お客様が見ているレベルと、私たち測定業者が見ているレベルの違いを知りたくて、今回の購入に至った次第です。
最後に少しだけ特定計量器について補足させてください。
日本国内において、取引・証明に使用される騒音計は特定計量器となります。 また、基準適合証印または検定証印が刻印された騒音計でなければ、取引・証明に使用する事は出来ません。 違反した場合は、罰則として6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられます。
罰則がある事を知るとドキッとしてしまいますよね。 でも一般の方が、ご自身の趣味で騒音計を使用する事まで制限するものではないのでご安心ください。
計量法上の取引・証明とは、「有償・無償を問わず、公に又は業務上他人に一定の事実が真実である旨を表明する事」をいいます。 ”公に”とは、公的機関が自ら行い、または公的機関に対して行われることをいいます。 ”業務”とは「継続して行う事務又は事業」をいいます。
では、一般の方に全く関係ないかと言うと、密接に関係のある特定計量器もあって、実は何処のご家庭にも一つや二つ、あったりするのです。
体温計と血圧計も特定計量器の一つです。
本体の裏側あたりを探すと、基準適合証印が見つかるはずです。
体重計や調理用はかりも特定計量器で、こちらの場合は、家庭用特定計量器技術基準適合マークが貼付されているはずです。
これらを購入する時に特定計量器なんて選んでないよ、と思われるかもしれませんが、日本国内で「体温計・血圧計・体重計・調理用はかり」を販売するには、基準適合証印等が付されていなければいけません。(非接触式体温計は計量法の規制対象外です)