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本人が思っている以上に響いている音(事例)

浦山英樹

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マンションの組合から不明音の調査を依頼された時のお話です。

夜になるとマンション内で工事をしているような音がする。 どん・どん・どんと、たたくような音。 ごー・ごー・ごーと、切るような音。 時々、ドスンといった大きな音がする。それが週に数回、30分ほど続くそうです。

私が呼ばれていったときには、その音は発生しませんでしたが、翌日にまた発生したようです。

さて、皆様は何の音だと思いますか?

私はヒアリングの内容から、トレーニング音の可能性が高いと回答しました。 実際に目にしたわけではありませんが、張り紙をした途端、その音は消えたそうです。

コロナ禍の少し前から、トレーニングブームです。 せっかく続けていたトレーニングも、コロナ禍でジムに行けなくなり、自宅でのトレーニングに切り替えた人も多いのではないでしょうか。

通販サイトでは、家庭用のトレーニングマシンが売られています。 防振マットで音の発生が無くなるといった商品もあります。 しかし、実際には、衝撃音などの個体伝搬音は、そんなに簡単に防げるものではありません。

実は私も家庭用マシンを購入して、トレーニングに励んでいました。 私の場合は事務所でしたので、音の発生は問題ない環境です。 それでも、ウエイトを置くときは気を使います。 そんな経験から、もしかして・・と思った次第です。

おそらく、ご本人は十分に気を付けていたのだと思います。 しかし、どんなに静かにウエイトを置いても、重いものを少し動かしただけで、音は響くものです。 特に筋トレは体力の限界まで行うものなので、力尽きて重りを置くとき、ドスンと勢いがついてしまう事もあるかもしれません。

今回の件は張り紙で解決した事を考えると、張り紙を見たご本人は、さぞ驚かれた事でしょう。

お互いに気を使っていても、思っている以上に響いている音があります。 思いやりのある人ほど、十分な対策を講じているので、その音が響いているとは気が付かない事もあるでしょう。 不要なトラブルを防ぐためにも、日ごろから挨拶などのご近所づきあいで、気づける環境である事が望ましいと感じました。


今回は実際に私が関わった事例からお話させていただきました。
測定としては音を観測できませんでしたし、音の原因ははっきりしないままです。 しかし、張り紙により音の発生は無くなったようですので、結果的に良かったと思える内容でした。
今回の件で感じた事は、みなさんが思いやりをもって周囲に接していたという事です。 すぐに音を止めてくださった方もそうですし、音が無くなればそれ以上は問題にしないという組合の皆様もそうですし、良好な話し合いで解決できれば、これ以上の事はありません。 こういったことは何処でも起こりうると思いますが、問題が大きくなる前に、話し合いで解決できる環境が一番大切だなと感じました。

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