騒音計の指示値と測定値は違う
弊社で最も得意としている測定の一つに、高所測定があります。
高所測定と言いましても、最大で 13m 程度ですが、実際にご覧になると、みなさん驚かれます。
測定高さには基準があり、騒音規制法で要請限度と比較する場合は地上 1.2m、環境基準の場合は住居等生活面の平均的な高さとしています。 具体的には、低層住宅地であれば地上 1.2m~5.0m の範囲で、高い建物が建つことが予想される地域については、 JIS Z 8731 を参考とすると地上 3m~11m です。
弊社の場合はこれに 2m プラスして、高さ 13m としています。 高さ13mは、一般的な集合住宅の場合では5階窓面相当(床面+1.5m)の高さになると思います。 たった 5 階ではありますが、地域によっては十分に見通しのよい高さですし、地上からの音も比較的届きやすい高さです。
同軸上で高さ 2m 付近にもマイクが設置できるので、その差をもって、更に高い位置の騒音レベルを予測する事も可能です。
この方法で測定すると、高い位置の方がレベルが高くなることがあります。 このような地域では、地表面付近でのレベルのみを参考に高さ方向のレベルを予測すると、思わぬ過小評価につながる可能性があります。 これは、建物の遮音対策を行う上でとても危険です。そのため、高い建物が建つことが予定されている場合は、高所測定を加えることをお勧めします。
特に高架道路や高架鉄道など、高い位置に音源がある場合は、高所での測定は必須だと思います。
(首都高速 5 号池袋線の測定の様子)
高所測定は、このような騒音環境を把握するために重要な役割を果たします。 特に、高い建物が建つことが予定されている地域では、高所測定を実施することで、建物周辺の騒音環境を正確に把握し、適切な対策を講じることができます。
いかがでしたでしょうか。
今回は高所測定についてお話させていただきました。
私たちは通常、地上付近の音で騒音を判断しています。しかし、高い位置では、地上とは異なる騒音環境である場合があります。 例えば、集合住宅にお住まいの方は、1 階と 5 階で環境音を聞き比べてみてください。 想像以上の違いに驚かれるかもしれません。