騒音計の指示値と測定値は違う
デシベルの計算では、騒音のエネルギーが2倍になると、デシベルは3dB増加します。
60dB+60dB=63dB
上の式をエクセルの計算式で表してみました。
=10*log(10^(60/10)+10^(60/10)) (=63)
これはデシベルの和の計算式で、パワー和やエネルギー和と呼ばれます。
倍数の場合は以下のようにも変換できます。
=10*log(10^(60/10)*2) (=63)
ちなみに10倍、100倍、1000倍では、
=10*log(10^(60/10)*10) (=70)
=10*log(10^(60/10)*100) (=80)
=10*log(10^(60/10)*1000) (=90)
差の場合は以下の計算式です。
63デシベルから60デシベルを引いてみました。
=10*log(10^(63/10)-10^(60/10)) (=60)
デシベルの和をエクセル関数で表すと以下の式になります。
=10*LOG(SUM(10^(A1:A10/10))) (A1からA10までのパワー和)
デシベルの平均値は、パワー平均やエネルギー平均という計算方法になります。
=10*LOG(1/2*(10^(60/10)+10^(60/10))) (=60)
この場合もエクセル関数で表すことが出来ます。
=10*LOG(AVERAGE(10^(A1:A10/10))) (A1からA10までのパワー平均値)
この関数は環境によって反映されない場合があります。
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どうしてデシベルの計算にはこのような方法が必要になるのでしょう。
それは、デシベルは20μパスカルを低とした常用対数で表されているからです。
人の可聴音圧は20μパスカルから20パスカルの範囲と言われています。
この範囲の比は百万倍にもなります。 これはあまりに範囲が広く扱いづらいばかりか、音の大きさに対する人の印象との対応付けが困難です。 そこで考え出されたのがデシベル表示といわれる音の表示方法で、最小可聴値を基準化して常用対数をとり、それを10倍したものをデシベルとして表示する事が国際的に決められました。
では、最小可聴音圧の20μパスカルと、最大可聴音圧の20パスカルをデシベルで表してみましょう。
=10*log((20*(10^-6))^2/(20*(10^-6))^2) (=0)
=10*log(20^2/(20*(10^-6))^2) (=120)
つまり、可聴音圧である20μパスカルから20パスカルは、デシベルで表すと0デシベルから120デシベルという事になります。
ちなみに、60デシベルは0.02パスカルです。
=10*LOG(0.02^2/(20*(10^-6))^2) (=60)
次はこの式でデシベルの和を計算してみましょう。
60デシベル+60デシベルです。
=10*LOG((0.02^2/(20*(10^-6))^2)+(0.02^2/(20*(10^-6))^2)) (=63)
これは素直に以下の式に変換できます。
=10*LOG((0.02^2/(20*(10^-6))^2)*2) (=63)
ちなみに10倍すると以下の結果になります。
=10*LOG((0.02^2/(20*(10^-6))^2)*10) (=70)
いかがでしたでしょうか。
今回はデシベルの計算方法について、実践的に使えるエクセルの計算式を用いてご紹介しました。
計算式はそのままエクセルにコピペして使えますので、納得いくまでいろいろ試してみてください。 難しい数式を眺めているより、ずっと簡単で、とても楽しいハズです。(私は楽しいです)