騒音計の指示値と測定値は違う
ホームページやマイベストプロをご覧になったお客様から、計量士という資格の存在を初めて知ったとお言葉を頂きました。
この分野に長く携わってきた私にとっては、日常的に目にする身近な資格ですが、考えてみれば、計量士が表に出ることはあまりないのかなと思いましたので、今回は計量士についてご紹介できればと思います。
計量士とは、計量法で定められた国家資格で、環境計量士(濃度関係)、環境計量士(騒音・振動関係)及び一般計量士 の3区分に分かれています。
私の場合は、環境計量士(騒音・振動関係)を登録しておりますので、自身の専門分野である環境計量士についてお話を進めさせていただきます。 他の計量士については経済産業省のウエブサイトで詳しく説明されていますので、こちらをご覧ください。
https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun/techno_infra/20_keiryoushi.html
環境計量士(騒音・振動関係)の登録者数は、平成5年以降では3,600人で、累積で10,600人になるそうです。 想像していたより多いと思うのですが、いかがでしょう。
環境計量士の主な業務は、騒音の測定と計量管理です。 騒音測定自体は、計量士の資格が無くても行うことができます。 しかし、測定した結果を第三者に「事実」として表明する事は、「証明行為」にあたり計量士の資格が必要になります。 具体的には、環境基準や騒音規制法に関わる騒音測定を行った場合に計量証明書が必要になるのですが、計量証明書の発行を行えるのは計量証明事業者のみとなっています。 計量証明事業者になるには、事業所を管轄する都道府県知事の登録が必要ですが、登録条件の一つとして環境計量士の配置が義務付けられています。 つまり環境計量士とは、「計量証明事業所で計量管理を行う者」という事になります。
ものすごくニッチな資格ですよね。 これでは一般の方がご存知ないのも当然かもしれませんね。
ちなみに、私の場合は計量士の資格を取得後、自ら東京都で計量証明事業所の登録を受けたのですが、その際に東京都の担当職員から、「計量士個人で事業登録を受けたのは初めての例」と聞きました。 現在も東京都の計量証明事業者名簿で、個人名義で登録しているのは私だけのようです。
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/keiryo/work/kankyosyomei-150701.html
今回は環境計量士についてお話しさせていただきました。
ここまで書いてきて、自分自身でもよく分からない資格だなと感じています。 だからこそ、この資格をもっと知って頂くためにも、騒音に関する知識や情報を、より多くの人にわかりやすく伝えていきたいと思っています。