外国人滞在増加で治安悪化？

参院選の争点が「外国人規制」となる背景には、外国人の増加が治安の悪化に繋がったり日本の制度を不正に利用したりしているとの主張がありますが、データでみると必ずしも実態に沿った認識とは言えずイメージが先行している可能性があります。

外国人の増加が「地域の環境に悪い影響があると思うか」

総務省は2024年3月公表の調査で外国人の増加が「地域の環境に悪い影響があると思うか」を尋ねました。
「そう思う」「少しそう思う」の合計は45.5％、「そう思わない」「あまりそう思わない」の40.5％を上回りました。

外国人刑法犯の検挙件数は減少

実際には外国人刑法犯の検挙件数は2023年に1万5,541件で前年比2割増となりましたが、4万件超だった2005年からは大幅に減少しています。

日本国内の外国人は急増

厚生労働省によると2024年10月末時点の外国人労働者数は、比較できる2008年の4.7倍の230万人超となりました。

訪日外国人数も過去最高

2024年の訪日外国人数は3,687万人に達し、2005年比5.5倍となりました。

不法在留者数の急増は見られず

出入国在留管理庁によると、外国人の不法滞在者は2025年1月末時点で7万4,863人（1993年の4分の1）、2010年以降は10万人を下回っています。

日本における外国人へのマイナスイメージ

国際基督教大学の橋本准教授は

政府が長年にわたり明確な外国人政策を示さず「外国人に批判的な勢力が付け入る隙があった」
移民を原則受け入れないとしながら外国人就労者は増え続けた。多くの国民が政府の説明に疑問を持つだろう。

SNSの浸透で外国人がからむ事件が拡散しやすくなり、実態以上にマイナスの印象を持つ傾向が高まった。

と分析しています。