自民・河野氏 川口クルド人問題で査証免除の停止求め

萩台紘史

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テーマ:ニュース

自民・河野太郎氏は衆院法務委員会において、埼玉県川口市に集住するトルコの少数民族クルド人と近隣住民の軋轢が表面化している問題を巡って、トルコ国民に対する査証(ビザ)免除措置の停止検討を求めました。「クルド人の難民認定申請が急増し、不法就労問題も増えている。査証免除の一時停止にならないのはどういう理由か」とただしました。

日本は72の国・地域に対する査証免除措置を実施

2025年6月時点で、日本は72の国・地域に対する査証(ビザ)免除措置を実施しています。これらの国・地域の方は短期滞在ビザの申請手続きを経ることなくパスポートがあればで来日でき、日本で観光などを楽しめます。

査証免除がクルド人による難民認定制度の悪用の温床に

トルコ国籍者を巡っては短期滞在ビザが免除される一方、就労目的のクルド人による査証(ビザ)免除の趣旨を逸脱した目的外利用や、難民認定制度の悪用の温床になっていると指摘されています。
短期滞在として来日し、難民認定申請を行えば審査期間中は在留することが可能となります。
2024年の一次審査平均処理期間は1年10ヵ月です。
令和6年における難民認定者数等について
特にクルド人は農閑期の10~11月に申請数が急増し、農繁期の5~6月には申請を取り下げて帰国する方が多く、不法就労目的であることがわかります。

外務副大臣「停止する状況にない」

河野氏は川口市を視察に訪れたことをブログで明かし、「不法就労対策として査証免除の停止を外務省に強く申し入れています」と強調していました。
河野氏の指摘に対し、宮路拓馬外務副大臣は「現時点で停止する状況にあるとは考えていない」と答弁。その理由として「(査証免除)が日トルコ間の人的交流の促進を通じた友好親善関係の発展に寄与すると認識している」と述べました。

すでに査証免除が一時停止されている国も

これまでも就労目的の不法滞在者が問題とされ査証(ビザ)免除が一時停止されている国は3ヵ国あります。
・パキスタン
・バングラデシュ
・イラン
いずれも査証(ビザ)免除停止により不法滞在者は激減しています。

河野氏「対トルコ感情悪化」

河野氏は「これだけ川口で大きな問題になっている。入管施設をご覧になったことはあるのか」と述べ、「入管から外務省に何度もSOS。査証免除の停止要求が出ているが、外務省は受けていない。どういう理由なのか」と査証(ビザ)停止に踏み切らない理由を再びただしました。

宮路氏はビザ免除について「トルコとの友好関係の発展に間違いなく寄与している」と繰り返したが、河野氏は「クルド人の問題で。逆に対トルコ感情が悪化している」と反論。「外務省は2国間問題になるのを恐れて何もやらない。やらないなら川口市と入管に人を出してはどうが」と外務官僚の人員派遣を提案しました。

「査証」と「在留資格」異なる管轄

日本では「ビザ」というと、在留外国人が所持している在留カード(在留資格)をイメージされる方が多いです。私たち行政書士も、一般的にはこのような認識のため、依頼者にわかり易いように在留資格を「ビザ」と呼ぶことがありますが、本来「ビザ」とは査証のことです。

詳しくはこちら↓をご覧ください。
「ビザ(査証)」と「在留資格」の違いとは?

これらの管轄が異なることが、今回の件を複雑にしています。

・在留資格 → 出入国在留管理庁(法務省の外局)
・査証 → 外務省

宮路氏も「問題が発生していることは認識している。外務省としてどういう取り組みができるか不断に考えたい」と語りましたが、河野氏は「役所の答弁を読んでいるだけ。副大臣としての判断はないのか」と指摘しています。「入管施設をご覧いただき、入管がどういう状況になっているのか踏まえて対応を指示して欲しい」と呼び掛けました。

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萩台紘史
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萩台紘史(行政書士)

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企業・個人問わず、就労ビザ申請に特化しています。年間350件超の申請実績があり、複雑な案件でも豊富な経験を有します。特定技能外国人の登録支援機関としても認定され、ワンストップで外国人雇用をサポート。

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