トルコ人のビザ免除停止論について
出入国在留管理庁と厚生労働省は25日、労働安全衛生法違反が確認されたとして愛媛県の大手造船会社に対し技能実習計画の認定を計2,134件取り消しました。これは”技能実習法”に基づく処分となります。過去には大手電機メーカーや自動車メーカーも同様の処分を受けていますが、一度の処分で取り消された件数としては2017年の技能実習法施行後で最多です。
同社は今後5年間、技能実習生の受け入れができなくなり、技能実習を廃止して2027年に新設される予定の「育成就労」においても外国人を受入れることはできません。
技能実習法とは
1993年に創設された「技能実習制度」を適正に実施し、技能実習生を保護するために2017年に施行された法律です。
技能実習法では、労働安全衛生法違反や労働基準法違反などで事業者の罰金刑が確定した場合、現在働いている実習生全員の認定が取り消されます。
また、すでに実習を終えて帰国した方の計画も対象となるため、日本で実習を満了したという認定(帰国後の就職に有利となる場合あり)も取り消されてしまいます。
人手不足支える実習生
本来「技能実習制度」とは、アジアを中心とした途上国の経済発展のための「人づくり」を目的とした制度ですが、実際には人手不足を補うために受け入れを行っている企業がほとんどではないでしょうか。
※「技能実習」廃止後の「育成就労」においては「日本国内の人材確保」と明記される予定です。
今回の処分数を見ると、現在働いている実習生の取り消しだけではないでしょうが、一度に多くの働き手を失うことになり経営にも影響が及ぶと思われます。