賃貸住宅に入居する際の住まい選びの基準や条件とは?

三枝秀行

三枝秀行

テーマ:賃貸経営に関する情報

前回のコラムでは賃貸経営をしている大家さんの立場からの法人化をテーマとした内容でしたが、今回はその逆に既に賃貸住宅に入居している方やこれから入居を考えている方の住まい選
びの条件や基準について不動産の賃貸や売買のポータルサイトで最大のシェアがあるSUUMO
リサーチセンターが発表した調査報告書をもとに考察したいと思います。
最新の2024年度・賃貸契約者動向調査によると賃貸住宅の家賃(共益費)は、2005年以降
で過去最高額を更新中であり2024年4月1日から2025年3月31日までの1年間に賃貸借契約を
結んだ家賃の平均は96,082円で前年度から3,589円上昇して2005年度以降で過去最高になり
ました。
 これを世帯別でみると1人暮らしの家賃の平均は前年比105.4%の75,731円、2人暮らしの
家賃の平均は前年比100.9%の111,018円、ファミリータイプの家賃の平均は前年比103.5%
の122,234円となっていていずれも2005年度からのデータでは過去最高となりましたが、この要因の一つとして都心部を中心とした物件価格の高騰が一般世帯には手が出せなくなったこと
により分譲住宅の購入を断念して賃貸住宅へシフトした世帯が増加したことが挙げられます。
また、住まい選びの最終的な決め手となったのは、路線・駅やエリア(54.7%)が2年連続の1位
となり次いで最寄り駅からの時間(38.9%)、通勤・通学時間(30.4%)、初期費用(30.3%)とそ
れぞれ30%を超える結果が続きますが、その一方で間取り(28.0%)や設備・仕様(8.2%)が決め手となった方の割合が2021年度以降は減少傾向にあることから今後はますます利便性を重視
する傾向が高まっていくでしょう。
賃貸住宅の設備に関しても興味深い結果が出ていますが、実際に満足度の高かった設備では近年増えている24時間出せるゴミ置場が最多の71.7%となっていて次に引越をする際の欲しい設備
でも上位にランクインしています。さらに遮音性の高い窓も67.8%と高い満足度になっているのは特筆すべきことです。
その一方で、エアコン(74.7%)、テレビモニター付きインターフォン(61.2%)、フローリング(60.0%)、独立洗面台(59.3%)、2口コンロ以上(53.3%)、温水洗浄便座(51.2%)の設備は、
全て50%以上の設置状況となっていることから今では付いていて当たり前の設備になりました。
 次に防災の観点からみるとハザードマップを自分で見たり調べたりした方は48.3%と前年度
から5ポイントも上昇したことは、線状降水帯や台風による集中豪雨や自然災害にも防災意識が高まっているいるようです
 また、入居前に知りたかった情報としては、パーセンテージが高い順に日当たりや風通し等
部屋の住み心地で53.9%、最寄り駅やバス停までの距離や経路が50.8%、近隣のスーパーや
コンビニエンスストアなどの距離や営業時間が50.6%となっています。
 さらに事前に分からずに不便や不満を感じたトップは周辺の騒音の状況ですが、こればかりは実際に住んでみないとわからないのでやむを得ないことかもしれません。
 上記の調査結果から快適な居室の環境や通勤・通学及びショッピング等の利便性が高い物件
が今後の住まい選びの基準であることは間違いないと思いますが、この調査結果の詳細を知りたい方は出典元の株式会社リクルートSUUMOリサーチセンターの2024年度・賃貸契約者動向調査(首都圏)をご覧になって下さい。
2024年度賃貸契約者動向調査(首都圏)
最後にこのコラムが本年最終となりますので、弊社よりご挨拶申し上げます。
本年は株式会社三枝エステートをご愛顧いただき誠にありがとうございました。
来たる令和8年(2026年)も弊社へのご用命をよろしくお願い申し上げます。

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