国土利用計画法の施行規則改正について

三枝秀行

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テーマ:不動産に関する法改正情報


国土利用計画法は一定面積以上の土地取引について契約締結後2週間以内に都道府県や
政令指定都市に届出するよう義務づけられています。
これは土地の投機的な取引や地価の高騰を防ぐために問題があれば行政側から利用目的を
変更できるよう勧告できるものですが、国土交通省は本年7月1日から国土利用計画法の
届出内容を定める施行規則を改正し、土地の取得者に国籍の記入を義務づけるよう改正
されました。
国土利用計画法の施行規則改正の背景には近年増加している外国人との取引の実態が
不明瞭なことや水源や森林の保全等に関する不適切な利用を防ぐことですが、特に外国人
が土地取得後に無許可での森林開発が多く発生している状況を踏まえてこれらの実態の
把握と監視をすることが狙いです。
土地取引の届出は大規模な土地が対象で、商業地域や住宅地域では2,000㎡以上、農地等
市街化区域以外の都市計画区域で5000㎡以上、山林などの都市計画区域では10,000㎡
以上と定められています。
ここでは一例ですが東京都の都市整備局から国土利用計画法に基づく土地取引の届出が
公表されていますので、ご興味ある方は以下のウェブサイトより詳細を確認して下さい。
国土利用計画法に基づく土地取引の届出
なお、今回の改正国土利用計画法とは異なりますが、近年ではマンション価格の高騰が
社会問題となっています。
昨今の物価高による建築費の上昇、人手不足等による人件費の上昇等で東京23区の新築
分譲マンションの平均価格は1億円を超えたとの報道もあり、投機目的のマンション
購入が増えているのも事実です。
 投機目的でのマンション取引が増える弊害として過度な住宅価格の上昇から居住したい
方が住めなくなることや居住実態のない住戸が増えることで管理組合の運営にも支障が
出るなど様々な問題も噴出しています。
このような観点から東京の千代田区では本年7月18日に投機目的でのマンション取引等に
関する要請を不動産協会へ配信したのは記憶に新しいことです。
主な内容として購入者が引渡しを受けてから原則として5年間は転売できない特約をつけ
ること、再開発事業において販売するマンションにおいて同一名義の者による複数物件の
購入を禁止することとしています。
このように外国人が投機目的で新築分譲マンションを購入するケースが増加していること
に危機感をもっている自治体も多く今後も投機目的によるマンション購入を防ぐ対策を
講じる自治体が増えるのは間違いないことです。
 また、外国人の富裕層が北海道の住宅等を購入するケースも多く、外国人の所有者名義
の不動産が増加しています。
地球温暖化の影響で日本国内はもとより快適に暮らせる環境が少なくなっている中で特に
人気が高いのが北海道の富良野やニセコといった観光地であり北海道は梅雨もなく冬の
シーズンはウィンタースポーツも楽しめることも魅力になっているようです。
 しかしながら 日本の不動産が外国人に買われることで様々な問題も発生していること
からさらなる法改正の見直しやルールやマナーの順守を徹底していくことが喫緊の課題
となるでしょう。

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三枝秀行(相続コンサルタント)

株式会社三枝エステート

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