遺言書作成のキーポイントとなる『付言事項』とは?
高齢になり終の棲家として住居の住み替えを検討する場合、幾つかの選択肢があると思いますが、ここではサービス付き高齢者住宅等の施設を除くマンションと一戸建てについてどちらを選
ぶのが良いかを考えてみましょう。
年齢を重ねると体力が落ちてくるのはもちろんのこと子供達が独立すれば生活形態も大きく変わ
ることから終の棲家をマンションにするか或いは一戸建てにするかで悩んだ場合にはそれぞれの
メリットとデメリットを比較した上で自分のライフスタイルに合った終の棲家を決めるのが良い
でしょう。
住み替えを考えた時のマンションと一戸建ての比較表は以下の通りですが、建物の構造や建築
年数、立地や住環境により異なりますので、この点には注意が必要です。
また、高齢者によるマンション購入の際の注意点を抜粋してみましたので、今後の住まい選びの参考にして下さい。
①現状では新築のマンション価格は高騰し続けていますので、予算の制限がない場合を除き築10年~築20年の中古マンションの購入が良いかもしれません。勿論、中古マンションも値上
がりをしていますが、築15年前後のマンションなら設備も陳腐化していない物件があります。
②夫婦2人の世帯なら60㎡~70㎡で2LDKまでの間取りが良いでしょう。
最近のマンションの傾向として部屋の広さは6畳程度が主流でウオークインクローゼットがつく間取りが多いですが、高齢者には使い勝手はあまり良くないかも知れません。
③タワーマンションの眺望は言うことありませんが、朝夕のエレベーターの混雑や高速エレベーターの保守等の修繕管理費は高いです。
④中古マンションを購入する時は管理組合の修繕費が計画通りで修繕積立金も予定通りに積み立てられているかの確認は必須です。
今後は、人手不足と原材料の高騰により修繕費は高くなり修繕積立金がショートする可能性があるからです。
⑤規模の小さいマンションでは管理人や清掃員が少ないと思いますので、宅配ボックスやゴミ置場等の設備が充実しているか確認しましょう。
荷物の受け取りやゴミ出しが楽にできるのは良いことです。
なお、終の棲家は現在の住まいでと考えている場合には自宅を担保に融資を受けて毎月の利息を払い、元本は死後に自宅の売却等で返すリバースモーゲージというサービスや自宅を売却した後に買主と賃貸借契約を結ぶことで売却後も賃貸として住み続けることができるリースバックというサービスもありますが、これらのサービス内容については別の機会でご紹介できればと思います。
最後に9月26日付の新聞記事に経営破綻した老人ホームの事業者の事例が掲載されていましたので、その概要をお伝えします。
終の棲家のつもりで入所していた高齢のAさん(仮名)夫婦のもとに京都市の老人ホームの事業者から2018年8月に経営破綻した旨の通知が届きました。
Aさんは当時85歳で入居費用を捻出するために自宅のマンションを売却し、生命保険も解約して老人ホームに入居一時金(前払い金)として1280万円を支払い8年間分の家賃相当額を含む契約のようでしたが、実際の入居期間は4年3カ月で約680万円の債権を持った状態でした。
その後入居者による集団訴訟で和解が成立し、Aさんには約230万円が返還されたものの実質450万円が消えて無くなってしまったのです。
老人ホームの事業者には、前払い金の保全措置が義務付けられていますが、厚生労働省の23年6月時点の調査では前払い金を徴収する2296施設のうち保全措置をしていない施設は52施設あったという調査結果が出ているようです。
このように老人ホームに入所したので安心だとしても施設の経営破綻等のリスクがあることを考慮して慎重に施設選びをすることがポイントです。