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副業解禁!副業で民泊を始める場合の注意点とは?

佐々木良

佐々木良

テーマ:民泊

(概要)
ものごとには分(ぶん)というものがあります。

副社長であるのに、社長を差し置いてふるまったら「出過ぎたことを…」と思われてしまうでしょう。

副業も同じです。本業そっちのけで行ったら批判は避けられません、あくまで、副業であるという分をわきまえる必要があります。

今回は本業があり、副業で民泊を検討している人に向けて、その注意点をお伝えしていきましょう。

副業で稼ぐ

副業解禁の背景とは


以前は副業を禁止する会社が多かったのですが、リーマンショックで会社が社員を自宅待機させ、賃金を減らした際の見返りに副業を認めたケースが現れ、以後、副業を認める会社が増えてきています。

今では、本業と競合しないケースや、他の会社に雇用されるわけではないケースならば、積極的に副業を認める会社も出ています。

会社側も、社員の生活の面倒を見る余裕はなくなっています。退職金の支給をしない雇用も多くなってきました。そうした流れの中に副業解禁があります。社会情勢の大きな変化が背景にあると言っていいでしょう。

余談ですが、以前ニュージーランドにワーキングホリデーで一年ほど滞在しました。その際、語学学校で紹介されたホームステイ先に2か月ほど住まわせていただきました。8畳ほどの部屋で寝泊まりし、朝食と夕食付で10万円前後かかった記憶があります。

私(留学生)の出費はホストの収入ですから、ホストマザー(ホームステイ先のオーナー)は月額10万円ほどの副収入があったことになります。日本でもそのような稼ぎ方が増えてくるのかもしれません。

副業の定義とは


そもそも副業とは何なのでしょうか。

実は副業とは何かを規定する法律上の定義はありません。副業に対する言葉は「本業」です。会社員などの場合は、勤めている会社の事業を本業とし、会社以外から労働や成果物の対価として金銭を受け取ることを「副業」とするのが一般的な考えでしょう。

ちなみに副業は法律で禁止されていません。ただ、就業規則で禁止している会社が多いのが実情でした。しかし、先に書いた事情で、副業を解禁する会社も増えてきています。

そうした副業を認める会社でも、本業の会社の事業と競合する事業や別法人と雇用契約を結ぶような内容は認めていません。あくまで、本業に悪影響を与えないようすることが絶対の条件になるからです、副業の分を守ることが大前提と言えます。

では、民泊は副業に当たるのかという話ですが、これは会社の規定に照らして判断しなければなりません。そのため、万全を期すのであれば、勤めている会社の総務部などに確認をとることをおすすめします。

ちなみに民泊をはじめとする不動産投資に関しては、会社から認められる可能性は高いと言えます。これまでも、自宅を所有している会社員が、転勤を命じられた場合、その期間、住宅を他人に貸すケースはあったでしょうし、家を相続で受け継いだ場合の管理で賃貸に出すケースもあったでしょう。

また、親が管理していた賃貸不動産を受け継いだ場合、その賃料をそのまま受け継ぐ形になりますが、そうしたケースまで会社が禁止することはまず考えられません。

そうしたケースを軸にして、会社の総務部に相談してみることをおすすめします。

副業で民泊をはじめる場合の注意点


先にもお話ししたように、まずは会社に確認をしましょう。隠れて民泊を始めても、会社にはばれる可能性が高いからです。

その理由は、税金です。会社に勤めていると、住民税は給与から天引きされます。会社では、給与の額が同水準の場合、同じような住民税の額になります。

しかし、民泊での所得があった場合、確定申告をしなければなりません。そして、住民税での天引き額は、この民泊の収入も加味された税額になります。
そのため、同僚に比べて明らかに税額が変わってくることで、発覚する可能性が高まります。そのため、問題化する前に確認した方がいいのです。

そして、次の注意点とはこの税金のことです。
給与所得だけであれば、会社が年末調整を行うので、税金はあまり考えないで済んでいましたが、副業で民泊を行う場合、確定申告でその収入を申告しなければなりません。そして、民泊の所得申告には3つのパターンがあります。

(1)雑所得
雑所得の場合は、法人設立や個人事業の届け出は不要です。また、申告も「宿泊費―必要経費」で引き算した金額を申告するだけで済みます。しかも、この金額が20万円以下の場合、申告する必要はありません。この範囲ならば、副業として認定される可能性は低いと言えるでしょう。

(2)不動産所得
このケースは、自宅以外の物件を他人に貸しているケースが該当すると言えるでしょう。
賃貸物件や相続で受け継いだ実家を民泊として提供する場合は、この不動産所得で申告を行います。こちらも、法人化や個人事業の届け出は不要ですので、副業に認定されるケースは低いと考えられます。

(3)事業所得
申告には、法人登録や個人事業主登録が必要となります。そのため、副業の禁止規定に抵触する可能性が高いです。できれば(1)(2)の範囲で申告するようにしましょう。

また、この税金の申告と合わせて、運営にどれだけのコストをかけるのかも気をつけましょう。

本業がある会社員の場合、民泊の運営は管理業者に委託することになると思います。その費用は、必要経費として宿泊料の収益から引くことができます。この部分にどれだけかけるかで、利益部分が決まります。ひいては、申告額も決まってきます。
そのため、維持管理にどれだけの費用をかけるかを決めておく必要があります。

副業が解禁されて、余暇や空き時間を活用して収益を得ることが可能になってきました。しかし、会社の規定も副業に関しては流動的です。そのため、本業に対して影響がでるような副業に対しては、まだ風当たりが強いところもあります。そのため、民泊投資もあくまで副業であるという分を守って、運営することを心がけましょう。

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佐々木良
専門家

佐々木良(不動産コンサルタント)

リスタートジャパン合同会社

15年超の不動産業界での経験を活かし、不動産業界と民泊業界との橋渡し役に徹する。自身も不動産投資家のため、投資家、民泊運営者、宅建業者という3者の視点から、最有効使用を検討し顧客の収益を最大化する。

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