副業解禁!副業で民泊を始める場合の注意点とは?
(概要)
みなさんは、民泊と民宿の違いをご存じですか?
名前が似ているし、営業スタイルも似ているところがあります。民泊経営を考えている人はその違いを知ることで、民泊の良さをより深く理解することができます。ここでは、民泊と民宿の違いについてご説明します。
民泊と民宿の違いとは
民宿とは、簡単に言えば民家の宿のことです。農家や漁師などがオーナーになり、自分の家の一部を間貸しして、お客さまを泊めるものです。一般的には、オーナーさんが在宅し、お客さまに郷土料理や家庭料理を提供します。
その土地ならではの料理やオーナーさん一家との交流を楽しむ人が利用する傾向があります。宿泊料も、ホテルや旅館に比べて安価な設定になっています。旅館業法の観点でみると簡易宿所に該当し、都道府県知事の許可が必要となります。
民泊は、マンションやアパートの一室や一戸建てに宿泊料を設けて有料で貸し出すサービスです。自己所有物件や賃貸物件を自己の不在時に貸すことも可能ですし、常にオーナーがいないといけないわけではありません。料理の提供なども、特に利用者は求めていないでしょう。
民泊の開業に関しても、通年営業を行う場合は旅館業法の許可が必要となりますが、年間180日以内の営業であれば、民泊新法における届け出だけで済むなど、スタート時の手続きも複数の方法があります。
業態としては似ていますが、開業や運営に関しては、民泊の方が選択肢が多いということが大きな違いでしょう。余談ですが、中国の方とお話していると、「民泊」という言葉を使わずに、「民宿」という言葉をよく使われます。その場合、民宿=民泊の意味なので注意が必要です。
民泊のメリット、デメリット
民泊と民宿の違いを認識したうえで、次はそれぞれのメリット、デメリットをお伝えしましょう。
まずは、民泊のメリットですが、何といっても、その自由さと開業の際のハードルの低さがあります。
(1)空き家、空き室の活用で収入を得られる
民泊の最大のメリットは、遊休不動産の有効活用ができることです。維持管理にお金がかかる『負』動産を収益を上げる物件に変えることも可能です。長期出張や転勤などで自宅を空ける際に、その間を民泊にして貸し出すといったこともできます。
(2)設備投資を抑えられる
旅館業法の許可を必要とする場合は、旅館業法の基準に合わせた改修などが必要なケースもありますが、そうでなければ、ベッドや寝具、アメニティーなどをそろえれば、民泊は開業可能です。そのため、設備投資が抑えられます。民泊利用者は、価格が安いことを理解しており、期待値は高くありません。そのため、最低限の物さえ準備できれば、民泊開業は十分だと言えます。
(3)外国人の利用が期待できる(インバウンド需要)
民宿と違い、民泊の場合はAirbnb(エアビーアンドビー)など、予約サイトの利用を通じて、訪日外国人もターゲットにできます。訪日外国人は毎年増加傾向にありますので、東京などの都市圏では民泊がブームになっています。こうした社会的な傾向も、民泊にとっては追い風になっています。
なお、民泊にもデメリットがあります。
(1)利用者リスクあり
民泊ではオーナーがいるわけではないので、何か問題が起きてもすぐに対応できないケースが多いです。備品の棄損やトイレや水回りの使用方法などでトラブルが発生するリスクがあります。また、利用者が宴会をした場合なども直接注意できず、近所からの苦情が寄せられるリスクもあります。これは、最悪の場合、民泊を営業できないことにもつながりかねません。事前の注意を徹底するなど、リスクに対する備えが必要となります。
(2)利用料の単価が安い
Airbnb(エアビーアンドビー)などで民泊の利用料を見てみると、金額が安いことがわかると思います。
東京都内の人気エリアでも、格安の利用料が設定されています。民泊で大きく儲けようと考える場合は、稼働日数が高くする、大人数が泊まれるようにして宿泊単価を上げる等の方策が必要となるでしょう。
民宿のメリット、デメリット
次に、民宿をみていきます。
<メリット>
(1)利用者との交流を図れる
民宿は、オーナーが常に在宅し、食事などのサービスを提供します。こうした点は利用者との交流を図りたい人にとってはメリットです。中には、家族ぐるみの付き合いになって、毎年利用するというお客さまに出会えるかも知れません。
(2)単価は民泊よりも高い
食事の提供などもあり、宿泊単価は民泊よりも高く設定できます。また、旅館業法の許可を得ているので、営業日数に制限はありません。そこで、稼働日数を上げることができれば、民泊を上回る収益を得ることも可能です。
<デメリット>
(1)稼働率
収益のカギになるのが稼働率ですが、民宿の場合、その稼働率を上げることが課題になります。Airbnb(エアビーアンドビー)のように多くの人が利用する宿泊予約システムが確立しているとは言えない状況ですし、民宿の多くが東京などではなく地方にあります。そのため、訪日外国人がターゲットになりにくいのが現状です。
(2)設備投資、維持に費用がかかる
民宿は旅館業法に基づく営業です。そのため、開業にあたっては基準に合わせるために改修を行うなど、ある程度の資金が必要です。また、運営する中で、維持管理も民泊以上にかかってきます。
民宿にも多くの良さがありますが、このコラムを読んでいる方は、民泊投資に興味をお持ちだと思います。民泊と民宿を比較し、違いを理解した上で民泊事業の参考にしていただければと思います。