経営者が自社ブランドを立ち上げる前に考えること⑧

西村進

西村進

テーマ:ブランディング

らしさを諦めない

らしさを諦めない

ブランディングは誰のもの?という話を以前書きました。
ブランディングは、大企業だけのものではありません。中小企業や個人商店、そしてあなた自身にも関係があります。それは、印象や個性のこと。あなたは、周囲からどう思われているでしょうか?明るく親しみやすい人でしょうか?知的でクールな人でしょうか?服装や持ち物も含め、他者が感じるあなたのイメージがブランドとなります。自分では気づかない言葉遣いも、モノマネされて初めて意識することはありませんか?企業も同様に、他者からのイメージを持っています。自社がどう見られているか、把握していますか?ブランディングとは、それを意識的にコントロールすることと考えると、分かりやすいかも知れません。


インナーブランディングに繋ぐ

自社理解を深める新商品開発の波及効果
OEM受託企業が初めて自社商品を発売するプロセスにおいて、避けて通れない重要なステップがあります。それは、改めて自社についての理解を深めることです。新商品開発を進めていく中で、自社の特異な強みや技術、企業文化などを分析することは不可欠であり、その過程で経営者層と現場スタッフとの考え方の差異や共通点が明確になってくることがあります。

私たちの経験上、新ブランド立ち上げのご相談から始まり、結果的に企業全体のブランディングへと発展するケースは決して珍しくありません。新商品開発の過程で、企業の根幹にある価値観や強みといった、普段は意識されないけれど重要な情報が数多く浮かび上がってくるからです。これらの情報は、改めて企業のブランドメッセージを構築したり、ブランドを象徴するメインビジュアルを制作したりする際の貴重なヒントとなります。

クライアントとの対話を通じて強く感じるのは、企業理解を継続的に深めていくことの重要性です。企業が将来的に何を目指しているのか、企業の内部と外部でどのような動きがあるのか、そして、それらの要素をどのように関連付けて事業を推進できるのかを常に把握しておく必要があります。これは、一朝一夕に達成できるプロジェクトではありません。私たちが単発のプロジェクトではなく、継続的なサブスクリプション契約をお勧めするのも、この点に理由があります。

さらに、自社商品の販売という新たな取り組みは、社員のモチベーション向上に大きく貢献します。自分たちが企画・開発・販売に携わった商品が市場で評価されることは、社員にとって大きな達成感と自信に繋がります。また、改めて自社の商品や技術、顧客について深く知ることで、社員は自社に対する誇りを持ち、より意欲的に業務に取り組むことができるようになります。

加えて、自社商品の販売は、現在取引のある委託先企業からの見え方にも変化をもたらす可能性があります。高度な技術力と意欲的な社員の存在を示すことは、自社のブランディングイメージの向上に繋がり、結果として企業の価値を高めることに貢献するのではないでしょうか。自社ブランドの確立は、単に新たな収益源を確保するだけでなく、企業全体の成長と発展を促進する重要な機会となるのです。




OEM受託企業のオリジナル商品自社販売は、必ず失敗する。

経営者が自社ブランドを立ち上げ前に考える10のこと
レンコンデザイン株式会社は、これまで数多くの新規事業プロジェクトに参画し、様々な知見を蓄積してまいりました。その経験に基づき、新ブランド立ち上げを成功に導くための実務パッケージ「ブランドランチャーズパッケージ」をご提供しています。

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西村進
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西村進(コンサルタント)

レンコンデザイン株式会社

デザインコンサルティング、ブランディング、広告企画制作などを手掛け、高付加価値ブランドのプロモーションに長く携わる。まだ世に知られていないブランドを、経営とデザインを結びつけた支援を得意とする。

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