経営者が自社ブランドを立ち上げる前に考えること⑦
依存ビジネスの脅威
OEM受託からの脱却と自立への道筋
10年先の経営戦略の根幹が、他社の業績に大きく左右されるという状況に置かれている企業は少なくありません。特にOEM受託企業にとって、委託先企業からの発注が突如として途絶えるリスクは、常に拭い去れない不安の種です。かつてのように、大手企業の経営が盤石であるという時代は終わりを告げ、委託先の経営努力が協力企業であるOEM受託企業の命運を左右する時代となっています。
委託先企業からの要望に応えるべく、生産量を増やすために人員や設備に投資することは容易ですが、一旦OEM先の仕事が減少した場合、これらの投資を容易に削減することはできません。さらに、委託先企業の業績が悪化した際に、十分な補填を受けられる保証もありません。まさに、他社に依存するビジネスモデルの脆弱性が露呈する瞬間と言えるでしょう。
このような状況を打破するため、自社オリジナル商品の販売を開始したり、既存商品の強化を図ったりするOEM受託企業も少なくありません。しかしながら、これらの取り組みがなかなか収益に結びつかないという現実もまた、多くの企業が直面する課題です。
緩やかな脱受託という選択肢
理想的なのは、現在のOEM業務を維持しつつ、徐々に売上構成比率を変化させていくという戦略です。例えば、売上の9割をOEMが占めている現状を、7割にまで減少させたとしても、残りの2割で新たな高収益事業を生み出すことができれば、全体の売上を維持することが可能です。そして、その高収益事業の割合を段階的に高めていくことで、緩やかながらも着実にOEM依存から脱却していく道筋が見えてきます。
売上1億円という目標
新規事業の目標額として、売上1億円が一つの目安となるでしょう。一般的なメーカーの粗利率(売上総利益)は、企業の規模に関わらず平均して25%程度と言われています。単純な計算ではありますが、売上を1億円増加させることができれば、2,500万円の粗利益増が見込めます。もちろん、実際には人件費や販管費などの固定費が発生しますが、新規商品の販売を事業として確立するための目標値としては、現実的なラインかもしれません。
安定期こそ挑戦の好機
OEM業務の将来に不安を感じている企業にとって、新規事業への挑戦は、むしろ受託業務が安定している今の状態だからこそできる新しい取り組みと言えるのではないでしょうか。既存の収益基盤があるうちに、将来の成長の柱となる新たな事業の種を蒔き、育成していくことが、不確実な時代を生き抜くための賢明な戦略と言えるでしょう。依存ビジネスからの脱却は容易ではありませんが、着実に一歩を踏み出す勇気と、長期的な視点を持った戦略こそが、企業の持続的な成長を支える力となるはずです。
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OEM受託企業のオリジナル商品自社販売は、必ず失敗する。
経営者が自社ブランドを立ち上げ前に考える10のこと
レンコンデザイン株式会社は、これまで数多くの新規事業プロジェクトに参画し、様々な知見を蓄積してまいりました。その経験に基づき、新ブランド立ち上げを成功に導くための実務パッケージ「ブランドランチャーズパッケージ」をご提供しています。
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