6/21(金)本日の貴金属市況〜金国内公表1.3万円台突破
日本国内金価格週次包括分析レポート
基本情報
分析日: 2025年8月16日(土)
分析期間: 2025年8月8日-15日
データ基準: 直近1週間、比較対象:過去4週・52週
エグゼクティブサマリー
日本の金価格は調整局面に入り、前週比-0.68%で17,507円/gまで下落。52週移動平均(14,847円)を17.9%上回る高水準を維持するも、テクニカル指標は弱気転換を示唆。地政学リスクが価格下支えする一方、米金利上昇とドル高が下押し圧力として継続。
1. 国内主要業者金価格週次推移
主要業者価格比較(2025年8月15-16日現在)
業者名小売価格(円/g)買取価格(円/g)前日比(円)スプレッド
田中貴金属工業17,50717,316-72191
三菱マテリアル17,73817,547+56191
石福金属興業17,72717,536+72191
週次統計(田中貴金属ベース)
- 最高値: 17,726円(8月9日)
- 最安値: 17,507円(8月15日)
- 平均値: 17,629円
- 終値: 17,507円
- 前週比: -0.68%(-119円)
- 前月同週比: +0.5%(+83円)
52週移動平均との比較
- 52週移動平均: 14,847円
- 現在価格との乖離: +17.9%
- 年間変化率: +37.9%(52週前: 12,698円)
週次ボラティリティ指標
- 標準偏差: 51.6円
- 変動率: 0.29%
- 最大日次変動: -72円(8月15日)
2. 国際金価格・為替・金利動向
国際金価格(USD/オンス)
- 現在価格: 3,337.25ドル
- 前日比: -0.40%(-13.39ドル)
- 週次変化: -0.25%
- 年間変化: +24.9%
USD/JPY為替レート
- 現在レート: 147.80円
- 8月平均: 147.50円
- 月間レンジ: 146.94-148.16円
- 週次変動: +0.33%
米国10年債利回り
- 現在利回り: 4.29%
- 前日比: +5bp
- 月間変化: -14bp
- 年間変化: +46bp
相関係数分析
- 金価格 vs USD/JPY: -0.94(強い負の相関)
- 金価格 vs 米10年債: -0.65(中程度の負の相関)
- USD/JPY vs 米10年債: +0.80(強い正の相関)
分析: 円高局面では国内金価格が上昇し、米金利上昇時には金価格が下落する傾向が明確に現れている。
地政学リスク要因
ロシア・ウクライナ情勢
- 8月8日停戦期限: ロシアが呑まず延長、継続的な不安定要因
- 金価格への影響: 安全資産需要の継続的な押し上げ効果
- 市場インパクト: 有事の金としての需要が底堅く推移
中東情勢
- イスラエル・ハマス問題: 解決の兆し見えず
- 地政学プレミアム: 推定50-100円/g程度の価格押し上げ
3. テクニカル分析
主要指標
14日RSI
- 水準: 中立(30-70レンジ内)
- 方向: 売られすぎ水準に接近
- シグナル: 反発の可能性示唆
MACD
- MACDライン: -2.1
- シグナルライン: -1.8
- ヒストグラム: -0.3
- 判定: 弱気シグナル継続
ボリンジャーバンド
- 上限: 17,732円
- 中央線: 17,629円
- 下限: 17,525円
- 現在位置: 下限付近(調整圧力継続)
チャートパターン分析
- トレンド: 短期調整、中長期上昇基調
- サポートライン: 17,400円、17,250円
- レジスタンスライン: 17,650円、17,750円
4. 翌週価格予測(8月19-23日)
ファンダメンタル要因
支持要因
- ロシア・ウクライナ情勢の長期化による安全資産需要
- 中東地政学リスクの継続
- 中央銀行の継続的な金購入(年間800トン規模)
- 米インフレ懸念による金利上昇圧力の限定的影響
下押し要因
- 米10年債利回りの上昇(4.29%水準)
- ドル高圧力(USD/JPY 147.80付近)
- 夏季相場での流動性低下
- テクニカル調整圧力
季節性要因
- 8月は歴史的に調整局面に入りやすい
- 夏季休暇による取引量減少
- 突発的材料による値動き拡大
- 9月以降の秋需要期待によるポジション調整
予測レンジ
シナリオ価格レンジ確率主要条件
強気17,650-17,800円25%地政学リスク悪化、米金利低下
中立17,400-17,650円50%現状維持、レンジ取引継続
弱気17,200-17,400円25%ドル高加速、利回り上昇継続
リスクシナリオ
上昇リスク
- ロシア・ウクライナ紛争激化: +3-5%上昇可能性
- 中東情勢悪化: +2-4%上昇可能性
- 米雇用指標大幅悪化: +1-3%上昇可能性
下落リスク
- USD/JPY 150円突破: -2-4%下落可能性
- 米10年債利回り4.5%超: -3-5%下落可能性
- 大幅な円高転換: -4-6%下落可能性
5. データ視覚化分析
- 価格推移チャート分析: 金価格は8月第2週に調整局面へ
- 相関チャート分析: USD/JPYとの負の相関(-0.94)が鮮明
- ボラティリティ分析: 週次ボラティリティ51.6円(過去4週平均48.2円を上回る)
6. 異常値検知(3σ基準)
- 検知基準: ±180円
- 現状: 全ての日次変動が正常範囲内
- 8月15日 -72円 → 正常範囲内
- 8月8日 +56円 → 正常範囲内
- 特記事項: 現在大きな異常値は観測されていない
投資判断に関する重要な免責事項
本分析は情報提供のみを目的としており、投資推奨・売買タイミングの助言を構成するものではありません。金価格は地政学リスク、金融政策変更、経済指標発表等により予測レンジを大幅に逸脱する可能性があります。投資判断は自己責任で行い、損失の可能性を十分理解した上で取引を行ってください。
- 分析者: AI Research Agent
- データソース: 田中貴金属工業、三菱マテリアル、石福金属興業、各種市場データプロバイダー
- 更新頻度: 週次(毎土曜日更新予定)



