もう言い訳できない!☆ナイトーンUPプロ「製作記録:ベヒシュタイン コンサート8」
2019年10月に軽井沢の別荘のオーナー様からのご依頼で、ナイトーンUP,GPの製作へ
行って参りました♪
本当は1907年製のエラールのグランドピアノに、ナイトーンGP製作がご希望だったのですが、
4月に下見へ行って確認をしましたら、独特の平行弦による設計と、アンダーダンパー設計である
こと、中音セクションの弦とフレームとの隙間が狭すぎて、ナイトーンのレールが物理的に可動し
ないことが分かりましたので、ナイトーンの設計は不可能とお伝えをさせていただきました。
オーナー様は日本の方ですがシンガポールにお住まいで、エラールはナイトーン設置はできず
残念でしたが、そのままの状態でシンガポールへ運ばれるとのことでした。
オーナー様からの次のご依頼といたしまして、軽井沢の別荘にあるアップライトのスタインウェイ
と、1907年製のプレイエルグランドへのナイトーン設置をご依頼されました。
こちらへのナイトーン設置は、現物確認をいましたところ設置可能ではありますが、ほとんどが
特注製作で費用も独自の設計開発から新しく取り組まなければなりませんでしたが、開発費用
までご負担いただきまして製作が可能となりました。
オーナー様は1年に数回程しか日本に帰って来ないということで、10月の帰国に合わせて
スケジュール調整をしてナイトーン製作へ行ってきました。
プレイエルグランドの製作から始めましたが、こちらの記録は後日にアップさせていただきます☆
アップライトのスタインウェイからの製作記録からですが、こちらもかなりの箇所を特殊製作
しなければならず、通常のプロフェッショナルは1日で製作完了するのですが、3日がかりと
なりました。
ところが・・・、完成最終日の午後に記録的な豪雨となりました台風19号が軽井沢を直撃して、
停電・断水となり製作続行不可能という事態となってしまいました。。
オーナー様は、その日の夕方に軽井沢の別荘へ来てナイトーン完成を楽しみにしていらした
のですが、オーナー様も熱海から軽井沢へ来ることが出来ずにお会いすることはできません
でした。
別荘の鍵を預かって連日の製作をしていたのですが、停電となった時点で15時くらいでしたので、
すぐに製作を中止して道具を片し始めて、夕方には真っ暗な状態となってしまいました。
別荘にはセコムの警報が鳴り響き、赤色の警告灯が付き、ラジオの放送では軽井沢の緊急警報5
とかの放送だったかと思います。
人生でめったに合うことのないようなナイトーン製作でしたが、年明け2020年2月に再度
ご訪問をして、アップライトスタインウェイの完成となりました!
ちなみに軽井沢の別荘のピアノ2台に、それぞれナイトーンを設置するという理由は、ご主人と
奥様とどちらもピアノを弾きたいという時に普通の音では大きすぎて、お互いの演奏が聞こえ
ないという理由と、深夜にグランドピアノを弾くときに、やはり音が大きすぎて弾いている
ご本人がうるさいと感じてしまうということで、ナイトーンの音色で心地よく弾きたいという
ご希望でございました。
こちらのスタインウェイは主にオーナー様の奥様がお弾きになられるとのことでしたが、
奥様からは「ナイトーンの音色がとても綺麗で、ずっとナイトーンで弾いています☆」
とお話しをしてくださいました♪