電気メスメンテナンスの実態
今回は除細動器の管理上の注意点に関してお伝えいたします。
管理上のポイントは以下の通りです。
1,除細動器の動作チェック
2,除細動ゲルの管理
3,パドル周りのゲル汚れ
4,充電状態
5,記録紙の管理
6,バッテリーの管理
7,ディスポ電極類の管理
1は原則毎日行うと良いです。絶対ではありませんが担当者を持ち回りにして特に看護師さんには直接機器に触れて頂く機会作りにもなります。
2はゲルの使用期限に注意を配ることが必要です。在庫状況もありますが期限の切れた物は使用しないようにします。
3は動作チェックの際にパドルを外して電極面にゲルが付着していないか確認します。除細動器使用時にドクターは放電終了後ゲルを拭き取らずに本体のカップに戻す先生が圧倒的に多いです。
そしてこの汚れた状態を放置してしまい、パドルの電極面に残ったゲルが乾燥してかピカピになりいざという時に抵抗になって除細動エネルギーが十分に患者さんに与えられないという事故を招きかねないからです。点検の際にゲルの拭き残しが残っていないか必ず確認することが重要です。
4は充電状態ですが未使用時は除細動器の電源コードは常時コンセントに繋いでおきましょう。
内蔵バッテリーの状態を常に満充電としておくためです。
除細動器を使用するシチェーションにおいては必ずしもコンセントから電源が取れるとは限らない場合もあります。こんな時はバッテリーだけが頼りだからです。勿論コンセントが使えるならコンセントを使う方が良いのは言うまでもありません。
5は記録紙がマガジンの中に入っているかという事と予備の在庫が十分あるかという事です。記録紙が無いと除細動の過程における証拠を残せませんので確認が必要ですが、除細動器は点検の際記録のチェックが自動的に入る為この際に記録紙を消費します。
使ってなくても記録紙は消費するものだという意識が必要になります。
6のバッテリーに関しては4で述べた通り常に満充電にしておきます。バッテリにしてみれば常時充電状態なので過充電になりがちです。そのためか交換時期は1年毎と短期スパンになっています。しかしながら救命装置ですのでここは割り切りが必要です。
7のディスポ電極は心電図をモニターする時に使用します。除細動器に於いて心電図をモニタリングする必要が有るのは心房細動を除細動する時ですが、これを実施するのは循環器の先生だけでこれも滅多に実施されることはありません。また、普段モニターとして除細動器を使用したり、ベッドサイドモニター代わりに使用されているケースも時々見ます。こういった場合にはディスポ電極が乾燥していないか、量や在庫は十分あるかに気を使っておく必要があります。