現場でできる輸液ポンプの清掃について
医療機器の保守点検代行サービスという仕事をやっていると、看護師さんなど現場サイドの方々から勉強会を依頼されることが少なくありません。
主に人工呼吸器、輸液・シリンジポンプ、モニターに関する事が多いのですが、次いで多いのが除細動器・AEDに関することも多いです。
今回から過去に依頼された勉強会の中から幾つかピックアップして、ポイントを絞った内容をご紹介していきたいと思います。
という事で今回は除細動器に関するお話です。
ご存じの通り除細動器は致死性の不整脈(心室細動など)を呈した患者さんを救命するために、外から電気ショックを与えて脈を正常に戻すために施される救命処置です。
そのために処置内容は迅速かつ簡潔に行うために除細動器の使用法もこのニーズを満たすものとなっています。
また、除細動器による電気ショックを与える処置は医師にのみ許されているものなので、もし、医師の居ない現場で除細動の処置を必要とする人がいた場合に、医師以外の人がこの処置を行えるように改良されたものがAED(Automated External Defibrillator:自動体外式除細動器)です。通常の除細動器に比べ取り扱いも簡単なため、医療機関だけでなく駅や空港などの公共機関にも設置されており、価格も除細動器に比べて安価です。
そのため、病院内では各フロアに1台AEDを設置するなど多くのAEDが設置されています。
一方通常の除細動器は医師しか扱えないということも有り、AEDより取扱注意しなければならないことや、管理しなければならない項目は増えてきます。
今回はこの点を纏めていきたいと思います。
除細動器の管理上の注意点。
1,除細動器の動作チェック
2,除細動ゲルの管理
3,パドル周りのゲル汚れ
4,充電状態
5,記録紙の管理
6,バッテリーの管理
7,ディスポ電極類の管理
主だったところはこの辺りです。
1の除細動器の動作点検は各施設の現場サイドでほぼ毎日のように実施されているようです。動作チェックは機器のガイダンスに従って正常に動作するかを見るだけで時間も短時間で済みますし問題が無ければ点検は終わりと極めて簡単です。
私共が定期的に行う点検では、この簡易点検に加えて、除細動エネルギーを測定し基準値以内に有るかどうかの点検と、電気的安全性試験、パドル周りの清掃、機能・性能が維持されているかの試験などを測定装置を使って行っています。
それと、記録紙・ゲル・電極類のストック状況や使用期限などの消耗品のチェックをしております。この点検は年2回実施しております。
バッテリーに関しては最近の機器では時期が来れば交換指標が出るようになってきていて非常に便利ですが旧式の機器では、バッテリーの交換年月を記録しておき、この1〜2年後に交換を実施いたします。
稼動率は消して多くはありませんがいざというとき動作してもらわないと困る機器です。日常的な点検整備と使用方法に関しては多くの職員が精通しておく必要があります。