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田中嘉一プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

輸液ポンプの「えっ?故障?」

田中嘉一

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テーマ:医療安全

何処の病院でも必ずと言っていいほどお問合せを受けるのが輸液ポンプの流量が予定通りに落ちていないという内容です。おそらく問い合わせ件数の筆頭だと思います。
病棟を巡回点検している時に看護師さんからよく聞かれます。

輸液ポンプの流量が設定通りに落ちない理由は幾つかありますが概ね以下の通りです。

1.同じ輸液セットを48時間以上連続で使用している場合
2.輸液セットをポンプに取り付ける時、輸液セットのチューブを引張って取り付けた場合
3.輸液セットをポンプに取付ける時、輸液セットのチューブを弛ませて取り付けた場合です。



1のケースは、輸液ポンプのフィンガーというチューブをしごいて送液する所ですが、チューブの同じ所を何度も繰り返し押し続けます。その為チューブが凹んできてしまい、この時間が長く続くとチューブが山谷の様に波打ってきます。
この状態が流量に影響を及ぼすのが48時間位からで流量は設定より多めに出るため早く終わります。これを防止するためには24時間ごとにフィンガーに当たるチューブの位置をズラして、フレッシュな部分を使えばこまめにルート交換しなくても使えます。


2のケースは滴下センサーの付いていない輸液ポンプの場合に影響を受けます。チューブが引張られたことで内径が細くなり、流量が少なくなるため予定より遅くなります。
3のケースは逆に流量が増える傾向があります。
2.3の場合は正しく輸液セットを付けなおす必要があります。

PMDAの栄養チューブの取扱いに関する注意記事です
https://www.pmda.go.jp/files/000144058.pdf

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田中嘉一
専門家

田中嘉一(臨床検査技師)

MEテック・ラボラトリー合同会社

医療機器保守点検・安全管理のエキスパート。300床以下の病院を対象に、「医療機器安全管理と運用」「コストダウン」「丁寧な病院内研修・指導」の3本柱で、病院の医療ミス防止の一翼を担っている。

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