LOGOS 10月末世界市場レビュー2023
LOGOS 3月末世界市場レビュー2025年
2025年 3月末主要指数 2025年2月末
ダウ工業平均/ 42,001.76 (- 4.2%). 43,840.91 (-1.6%).
S&P500指数/ 5,611.85 (-5.8%). 5,954.50 (-1.4%)
NASDAQ指数 /17,299.29 (-8.2%). 18,847.28 (-4.0%)
日経225平均/ 35,617.56 (-4.1%) 37,155.50 (-6.1%)
米ドル円/ \149.9 \150.6.
ポンド円/ \193.7 \189.4
ユーロ円/ \162.1 \156.3
金/ 3,173.90 (+11.4) 2,848.50 (+0.6%)
米 10年国債/ 4.20% 4.21%.
思考錯誤しながら、トランプと側近の言動はどこまでが実行可能で、取引として全ての相手の手の内を探る対策は行き詰まりを露呈し、世界株式市場は3月に最大の下落を演じました。不法移民に対する強硬策は、大量の国外追放を伴いその荒療治に対しては批判の声も高まってきましたが、最優先政策としての有言実行は依然としてそれなりに評価を得ています。トランプはベネズエラ不法移民集団を暴力団と称し、エルサルバトール牢獄に囚人として移送。それに対して連邦地方裁判官が阻止命令を発したにも関わらず、集団はすでに国外に退去したとの理由で実行されました。トランプはその裁判官の弾劾を試みましたが、最高裁判所穏健右派のロバーツ裁判長は流石に大統領の権限は及ばないと警告を発しています。法の支配を無視し、トランプ大統領は司法の権限まで侵害するかが今後注目されるとなるでしょう。民主主義の根幹に触れる問題です。移民問題、ウクライナ戦争の調停、グリーンランドやカナダの併合等に対しての米国民感情は賛否両論となっています。地政学的言動も然りで、対イラン強硬策は強化されるでしょう。SNSを利用し機密漏洩で物議を醸したイェーメン攻撃もその一環です。イスラエルはそれに乗じてハマスの撲滅や、イラン核施設攻撃も辞さない状況となっています。しかし、高額関税に関しては大半のエコノミストは大きな経済的弊害をもたらすと警告しています。米国民の過半数も関税対策を疑問視しています。有言実行のトランプは少なくとも当面は本気で関税実行に邁進しています。3月には鉄鋼・アルミに一律25%の関税を実行し、4月2日からは対カナダとメキシコに一律25%関税、その直後には自動車に25%関税実施計画です。
この不穏な環境で株式市場は調整局面に入りました。米国景気も一部では不況到来とスタグフレーションを予測始めています。景気浮揚とインフレ退治の使命を担う米FRBに対する風当たりは高まる一方でしょう。パウエル議長は使命を全うす姿勢ですが、力関係ではトランプ大統領に太刀打ちできません。歴史的最高値を更新し続ける金価格は唯一世情を的確に把握していることを示唆しています。
世界的に反米意識が高まってきています。カナダはリベラル党のカーニー首相は4月末に総選挙を実施。対米対決姿勢で臨み保守党優位を覆しています。併合を企むヴァンス米副大統領のグリーランド訪問はデンマークとEUを刺激し、対抗姿勢を高めています。そして緊縮財政のタガを外したドイツは、軍備やインフラ投資を抜本的に拡大できる体制に変貌しています。トランプ旋風のもと、世界の舵取りは大きく変ぼうしています。
LOGOSキャピタルパートナーズ
伊藤 武