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LOGOS 12月末世界市場レビュー2024年

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テーマ:投資

新年あけましておめでとうございます。
本年も引き続きよろしくお願い申し上げあます。

LOGOS 年12月末世界市場レビュー2024

2024年 12月末主要指数 11月末
ダウ工業平均/ 42,544.22 (-5.3%) 44,910.65 (+7.5%)
S&P500指数/ 5,881.63 (-2.5%) 6,032.38 (+5.7%)
NASDAQ指数 /19,310.79 (+0.5%) 19,218.17 (+6.2%)
日経225平均 / 39,894.54 (+4.9%) 38,045.78 (-2.6%)
米ドル対円 / ¥157.36 ¥149.75
ポンド/ ¥196.95 ¥190.68
ユーロ / ¥ 162.87. ¥158.44.
金/ 2,641.00 (-0.3%)  2,649.00 (-4.0%)
米 10年国債/ 4.56% 4.22%.

12月に入り、世界の話題はもっぱら1月20日予定のトランプ大統領就任を控えて人事任命と就任後の政策展開の憶測に終始しました。しかし実際のトランプ政策の展開は全く予測できるものではありません。一方でトランプの経済政策はさらなる刺激、減税と企業優遇は見解の一致で、11月はいわゆるトランプトレードと称し市場は好感したものの、12月は現実を見つめる展開となりました。景気観測から最も注目を浴びたのが、FRBパウウェル議長のインフレ懸念発言により金融緩和期待が後退したことです。12月には当初予想通り米政策金利を0.25%引き下げたものの来年の金融緩和は小幅に留まる予測です。LOGOSでは常々インフレ指標となる米10年国債利回りが4.5%以上に高まることは要注意と述べてきました。パウウェル発言以降10年国債利回りはその通りとなり、株式市場も反落に転じました。日銀は金融の正常化を模索していますが、12月の金利引き上げは据え置きとなり、円は一気に円安に転じました。日本の株式市場は活発な「物言う株主」の動向と円安を歓迎し、日経平均は一気に4万円を挑戦する勢いとなっています。米国市場ではハイテク企業優遇期待からNASDAQ市場は堅調を堅持しました。ビットコインは一気に100,000ドルを突破し、その勢いは止まりません。 
トランプ政権を筆頭に世界政治は混迷に陥っています。フランスは議会が解散され新政権も政策遂行が困難となり、ドイツもシュルツ政権が分裂し2月に総選挙となります。カナダのトルドー首相の信任は失墜し退任はほぼ確実です。マクロン大統領の早期退任も視野に入ってきました。2025年のG7首脳会談で現役首脳は唯一イタリーのメローニ首相となる異例の事態もあり得る状況です。10数年間悪政を君臨してきたシリアのアサド政権は一瞬にして崩壊してしまいました。暴君の亡命は歓迎ですが、激動の中東で正当政権が樹立できるかは疑問です。トランプ政権下ウクライナとソ連戦争の終結はあり得ても行く末は予断を許しません。同様にイスラエルの攻勢と弱体化したイラン情勢も混沌としています。 
 2024年の市場は米国一人勝ちの展開に加え、久々に日本市場が大活躍を果たしました。米国はエヌビデアを筆頭にマグニフィセント・ セブンと称されるAI中心のハイテク銘柄が中心となり史上最高値を’更新し続けています。日本市場は円安とセブン&アイに象徴される「物言う株主」躍進の年となりました。2023年には割安に放置された商社株の大量買い付けを実施した著名投資家バフェット氏が火付け役となり、長年放置された日本株はバブル期時代以来の新高値更新を果たしました。
2024年の主な指標ダウ工業平均は12.9%, NASDAQ指数は28.6%、日経平均は19.2%それぞれ上昇しました。円は2023年末の対米ドル141円から2024年末は157円で引け、金価格は28.2%の上昇を遂げました。それぞれ目を見張るパフォーマンスです。
それに対し、米10年国債利回りは3.88%から4.55%に上昇しています。これはインフレ率が従来の2%程度に収まる可能性が低いことを物語っています。となれば今後株式市場の一方的な上昇は困難であることを示唆してます。換言すれば2025年の相場は波瀾含みの展開となることが予想されます。相場の諺「もうはまだ、まだはもう」で市場観測者にとって大きな試練の局面に直面しています。


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伊藤 武

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専門家

伊藤武(資産運用アドバイザー)

株式会社LOGOSキャピタルパートナーズ

アメリカの大手投資銀行をはじめ、50年以上にわたる金融業界経験をもとに、個人投資家への投資助言サービスを展開。ETFを中心としたポートフォリオを作成し、「効率のよい貯蓄」としての長期投資を提案します。

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