LOGOS 10月末世界市場レビュー2023
LOGOS 年9月末世界市場レビュー2024
2024年9月末主要指数 9月末 8月末
ダウ工業平均/42,156.97 (+1.4%) 41,563.08(+1.8%)
S&P500指数/ 5,708.75 (+ 1.1%) 5,648.40(+2.3%)
NASDAQ指/17,910.36 (+1.1%). 17,713.62(+0.6%)
日経225平均/37,919.55 ( -1.9%). 38,647.75(-1.2%)
米ドル対円 /¥143.66 ¥146.21
ポンド/ ¥192.16. ¥191.95.
ユーロ/ ¥160.00 ¥161.72
金 / 2,665.60 (+5.1%). 2,535.90 (+1.8%)
米 10年国債/ 3.80% 3.91%
先月末の市場観測で世界株式市場はゴルデイロックス(適温)相場に復帰したとコメントしましたが、その通りの展開となり世界株式市場は安定的に推移しています。但し、上記の主要指標には表示されていませんが、低迷続きの中国株式市場が、9月24日発表の刺激策に喚起され、なんと月末までに25%の上昇を記録しました。金利引き下げ、金融緩和及び不動産支援対策等を中央銀行が発表。 中国の発表は世界市場には何ら波及していません。しかし公表の5%経済成長達成も実現可能となれば好材料と受け止めるべきでしょう。日本市場は高値更新後は一服状態が続いています。9月1日に石破政権が誕生し、市場ではやや警戒感が高まっています。米FRBは9月の政策決定会合で予想に反し0.25%ではなく0.50%の政策金利引き下げを発表し、市場は好感すると同時に景気に対する先行き懸念も喚起しています。払拭目的か月末にはパウェル 議長は今後穏やかな金融緩和を示唆しています。米政策金利0.50%の引き下げで円は対ドル140円近辺まで上昇しましたが、日銀の現状維持の発言もあり、以後多少は円安に触れています。
地政学要因は悪化をたどり、ガザの和平交渉は遠のくどころか、報復措置の一環としてイスラエルはレバノン在住のヒズボラの司令官を大量爆撃で殺害し、イランも報復攻撃を開始し、中東戦争危機に晒されています。ウクライナのゼレンスキー大統領は国連総会でも支援を求めていますが、戦争は激化方向に転じています。金利低下に伴い有事の金として金価格は年初来もっとも大きな上昇となっています。世界の天候不順は常態となりつつ、能登半島は再度の災害を被り、アメリカ東部を襲撃したハリケーンの被害も甚大となっています。米大統領選挙に関しては接戦ながらも大統領テレビ討論ではトランプ候補はハリス副大統領 に手玉を取られ、以後トランプは追加討論会を拒否しています。本日副大統領候補者の討論会が行われ、政策論争では共和党ヴァンス 候補が優勢との見解でも、好感度ではウオルズ候補と、選挙の行方は拮抗状態が継続しています。総合判断としてはハリス候補が先行しています。
今後米国経済が多少減速はしても、インフレが低減し、軟着陸程度に収まることになれば、市場も大きく崩れることは回避されるでしょう。地政学要因は懸念されても市場に対しては通常影響は軽度に留まります。しかし中東情勢は日増しに深刻となり、米国の直接介入が不可避となれば事態は予断を許しません。
LOGOSキャピタルパートナーズ
伊藤 武