LOGOS 7月末世界市場レビュー2023
LOGOS 年8月末世界市場レビュー2024
2024年8月末主要指数
2024年8月末 2024年7月末
ダウ工業平均/41,563.08(+1.8%) 40,842.79 (+5.8%).
S&P500指数/ 5,648.40(+2.3%) 5,522.30 (+1.1%).
NASDAQ指数/17,713.62(+0.6%) 17,599.40 (-0.8%).
日経225平均/ 38,647.75(-1.2%) 39,101.82 (-1.2%)
米ドル対円/ ¥146.21 ¥150.03
ポンド/ ¥191.95. ¥192.86
ユーロ/ ¥161.72 ¥162.40
金/ 2,535.90. 2,490.70 (+6.5%).
米 10年国債/ 3.91% 4.38%.
8月末の世界市場は前月末比で穏やかな上昇を記録し、米国株式市場は史上最高値を更新しまた。しかし中身を見ると、8月2日に日経平均は史上最大¥4451円の下落を演じ、世界は震撼に陥りました。日本ほどではないものの米国市場も一気に調整局面に突入し、その後の行方に不安をもたらせました。その時点で状況を先月のポートフォリオレビューでご報告しました。昨年来の円安動向と日本株の割安状況から海外から大量の資金が流入し、その巻き戻しが発生したのです。いわゆる円キャリーと称され、低金利の円を借り、その資金で株式やその他の投資に邁進した状況でした。ところが、7月の日銀政策会合での金利上昇発言から、円は急騰し急遽それら投機資金は円を返済し、株式市場の売りに転じたのです。市場は一時的なパニック状態に陥りました。このような劇的な市場の下落に対し、通常は回復するのに調整局面を経てある程度時間を要しますが、今回は全く一過性の現象となり、月間ベースで比較しますとあたかも何もなかったような事態に戻しています。
8月下旬には世界の中央銀行および主要銀行首脳が会合するジャクソンホール会議で、米F RBパウウェル議長は、市場の期待に沿った政策金利の引き下げを宣告し、株式市場に安堵をもたらせ、特に金利全般の引き下げを誘導しました。パウウェル議長は政策金利の長らくの引き上げはインフレ退治に成功し、今後は2%目標インフレ率達成に自信の程を示しました。米10年国債は久々に4%台割れとなり、さらなる円高基調を示唆しています。
米国ではバイデン大統領の再選出馬放棄後民主党大会が開催され、民主党総意のもとハリス大統領とウオルズ副大統領候補の人気は一気に高まっています。対トランプでバイデン大統領は劣勢であったのが、下馬評では民主党が優勢に転じています。日本も岸田首相の再選放棄に伴い首相候補者の群雄割拠に転じています。地政学的にはガザ地区での悲惨は継続し、米国の和平提案は進展がない中イスラエルの軍事強行はハマスの抵抗力を疲弊させています。ウクライナによるロシア領土攻撃も新たな展開となり、不透明感は高まる一方となっています。
株式市場はゴルデイロックス相場(適温相場)の様相を呈しています。インフレ克服には強気の展開となっており、逆に米国景気に対して不況到来見通しの確率が多少高まっているようです。企業収益に対する期待も高すぎ、それを象徴するのがエヌビデアの決算でした。第二四半期の売り上げは前年比2.2倍となり、収益はそれを上回ったもののそれ以上の強気期待のもと株価は下落を演じています。巨大IT企業収益に対する期待は大きく、少しでも予想値を下回ると株価は急落しかねない状況です。それに反し、ローテクのバークシャーハサウェイの時価総額は初めて1兆ドルを突破し株式市場の流れの変遷を象徴しています。
LOGOSキャピタルパートナーズ
伊藤 武