LOGOS 年8月末世界市場レビュー2024
LOGOS年5月末世界市場レビュー2024
2024年5月末主要指数
/2024年5月末 /2024年4月末 /2024年3月末
ダウ工業平均/
38,586.32(+2.3%)/37,815.92(-5.0%)/39,807.37(+2.1%)
S&P500指数/ 5,277.51 (+4.8%)/5,035.69 /5,254.35(+3.1%)
NASDAQ指数/
16,375.02 (+4.6%) /15,657.82 (-4.4%) / 16,379.46(+1.8%)
日経225平均/
38,487.90 (+2.1%) /38,405.66 (-4.9%) /40,369.44(+3.1%)
米ドル対円 / \157.25 / \157.70 /\151.34
ポンド/ \200.28 /\ 196.96 / \191.01
ユーロ/ \170.73 / \168.21 / \163.45
金 / 2,343.60 (+1.8%)/2,301.80 (+2.8%)/ 2,238.40 (+8.9)
米 10年国債/4.49% /4.68%./ 4.21%
世界株式市場は米国のインフレ状況とそれに対し米FRBの政策金対応にのみを注視続けています。年初来インフレ低減期待から徐々にインフレの下振れ期待が遠のき、一部観測ではむしろ金利引上げの可能性が懸念され、その都度市場は一喜一憂しています。5月も例外になく、株式市場は弱含みに推移していたのが、月末にかけてインフレ低減期待が再浮上し、反騰に転じました。事実米FRBが注視する消費者物価指数PCEは2.7%の上昇に留まり、再び楽観論が持ち上がっています。 景気動向も経済成長は緩やかに 鈍化を続けていますが、不況突入予測は全く視野に入っていません。相場のもう一つの注目点はマグニフィセント・セブンと称される巨大IT企業の業績 で、とりわけ生成AI市場の展開です。注目のエヌビデアの四半期収益は予想を大幅に上回り5月1ヶ月で株価は23%上昇しました。エヌビデアは、アップルに接近し世界第2位の時価総額に上り詰めています。この市場テーマが順調に推移する間は市場を支える要因となるでしょう。
2024年の大きなテーマは世界の選挙戦の動向です。インドは期待通りモーデイ首相は大勝利を手中に収めています。イギリスも議会は解散され7月4日に総選挙を迎えます。
保守政権から労働党政権に代わることはほぼ確実しされていますが、保守党がどこまで踏ん張れるかが注目です。日本も年内総選挙となるでしょう。注目の南アフリカは1994年に民主政治を擁立したマンデラ大統領率いる黒人政党ANCがそれ以来初めて支持率50%を割ったのみならず40%の大敗となりました。今後はANCと組む連立政権次第で民主政治は危機に晒される可能性を潜めています。最も注目のアメリカはトランプ候補が有罪判決により歴代大統領で史上初めての犯罪人となりました。不倫の口止め料を不正に支払ったことが原因で、選挙妨害等他の3件の訴追では最も軽視されていた裁判でした。政治が極度に分断したアメリカでは有罪判決がトランプ陣営にとりプラスかマイナスかは判明せず、選挙結果を待つしかありません。
地政学的には混沌状況が継続しています。ウクライナ戦争はますます泥沼化し、イスラエル・ハマス対立も停戦には至らず更なる政治の分断要因が背うカレーとしています。
日本円が対米ドルで160円の大台乗せしたことより日本政府介入が実施されましした。介入額はほぼ10兆円に達したことが発表されています。しかし、円ドル金利差は米FRBの利下げ機運となるまでは円高とはならない観測です。しかし、日本10年国債は1%の大台に乗り明らかに金利上昇基調に転じています。他の主要通貨に対しても米ドル安基調となり始めています。年内には円安も転換する可能性が出てきました。
先月の市場観測でも述べましたが、米国のインフレメルクマールとして政策金利と同時に長期の10年国債金利動向を注目すべきでしょう。当面は4.5%を中心に上振れすればインフレ懸念の高まり、下振れすればインフレの低減の様相を呈しています。5月1ヶ月間の市場の動きもそのような一喜一憂の展開でした。
LOGOSキャピタルパートナーズ
伊藤 武