LOGOS 年7月末世界市場レビュー2024
LOGOS 11月末世界市場レビュー2023
2023年11月末主要指数
2023年11月末/ 2023年10月末
ダウ工業平均/35,950.89 (+8.8%) 33,052.87
S&P500指数/ 4,567.80(+8.9%) 4,103.80
NASDAQ指数/ 14,226.22(+10.7%) 12,851.24
日経225平均 / 33,486.89 (+8.5%) 30,858.85
米ドル対円 /148.09/151.31
ポンド / 187.02/183.83
ユーロ / 161.30/ 160.06
金 / 2,060.10 (+6.5%)/ 1,986.50
米10年国債金利/4.33%/4.92%
世界株式市場は年初来7月に高値を付けた後、金利上昇を懸念して3カ月間下げを演じました。ところが10月に入り相場は様変わりとなり、世界株式市場は平均的に9%近く上昇。米国主要株式指数S&P500種は過去最高値から5%圏に戻しています。その背景に米国経済は想定以上に堅調に推移し、第3四半期GDPは当初発表のプラス4.9%を更に上回る5.1%に上方修正されています。それに対しインフレ指標の消費者物価指数は予想以下の3.2%に収まり、市場は楽観論に支配されています。市場変動期待の指標であるVIX指数はコロナ以前の低水準に低下し、市場の強気心理を物語っています。米FRBは今のところインフレに警戒的な姿勢を堅持していますが、市場のコンセンサスは2024年半ばから政策金利を下げ始める予想となっています。インフレはコロナ後サプライチェーンの軋轢から生じた一過性のものであると提唱したエコノミストは勝利宣言するに至っています。それらの見通しはFRB目標の2%インフレに収束すると予測しています。企業収益もマグニフィセント7と称される大手ハイテク企業7社は高収益を発表し、生成AIブームも最大のテーマとして話題を提供するでしょう。米国金利が今後下げに転じる予想と、日銀も来年早々にはマイナス金利から脱皮するとの観測のもと、金利差縮小期待から長らく継続した円安基調は終焉し、円高に転じたとの観測が高まっています。金価格も金利低下期待と地政学的要因を背景に1トロイオンス2,000ドルを突破しています。
地政学的にはイスラエルとハマス間の一時停戦となっていますが、今後の展開及びウクライナ・ロシア戦争は泥沼からの脱出は
全く予断を許せません。米国経済の推移は、今のところ楽観論者見解通り通りの展開となっています。しかし、米国を先頭に中国を含め来年の世界景気減速はほぼ不可避でしょう。
S&P500種の2023年企業収益予想は225ドル近辺で景気減速の中、来年も増益は微増に留まる予測です。予想収益に対してPERは既に20倍程度であり、金利が大きく下がらない限り、過度の強気は禁物と考えます。米10年国債金利は瞬間的に5%台に到達した後4%台の下方に転じています。であっても財政赤字の急拡大と構造インフレ圧力のもと金利水準が嵩上げされた認識は定着するでしょう。
LOGOSキャピタルパートナーズ
伊藤 武