LOGOS 6月末世界市場レビュー2023
LOGOS 10月末世界市場レビュー2023
2023年10月末主要指数
2023年10月末/ 2023年9月末
ダウ工業平均/33,052.87 (−1.4%)/ 33,507.50
S&P500指数 / 4,193.80(−2.2%) / 4,288.05
NASDAQ指数 / 12,851.24(−2.8%) / 13,219.32
日経225平均 / 30,858.85 (−3.1%) / 31,857.62
米ドル対円 / 151.31/ 149.37
ポンド / 183.83/182.27
ユーロ / 160.06/157.97
金 / 1,986.50 (+6.5%)/ 1,864.60
米10年国債金利/4.92%/ 4.58%
10月中旬パレスチナ軍事勢力ハマスはガザ地区からイスラエルに対し総攻撃を仕掛け、中東戦争が勃発しました。1948年イスラエル建国以来米国を中心に西欧諸国はイスラエルを擁護し、今回もアメリカは停戦を模索するものの、イスラエル支援を強化しています。ハマスによる不意打ち攻撃により2,000名近くのイスラエル人が殺害され、更に200名程の人質が密集のガザ地区に取り残されています。右派政権のイスラエルはハマス軍部撲滅を求めガザ地区に対する攻撃を継続しています。人口200万人と推定されるガザ密集地帯での人的被害は当然ながら急拡大しています。イスラエル擁護の西洋諸国も人道の観点から支援に対する反対勢力も高まっています。西側自由諸国の結束には、アメリカのウクライナ及びイスラエル双方に対する軍事支援は絶対に欠かせないながら、先行きの不透明感は高まらざるを得ないでしょう。このような深刻な地政学要因は世界市場にとってマイナス要因でありながら、経済活動に支障が生じない限り冷静さが保たれています。
世界金融市場は継続してアメリカの経済・金融動向に注視しています。米国経済は度重なる政策金利に引上げにも拘わらず堅調に推移し、第3四半期は4.9%のGDP成長を遂げました。9月はインフレ率も年率3.7%となり米FRBは現在の5.25〜5.50%の政策金利は据え置くものの、今後の引き下げは視野に入っていません。その中、金利は継続して高含みに推移し、米10年国債利回りは5%に接近しています。米国企業収益は強弱まだら模様となり、一部大手IT企業は高収益を堅持しています。10月の米国株式市場は継続して下げ、S&P500種指数は昨年来の高値から10%下がり、株式市場はいわゆる調整局面入りしたと観察されました。月末に駆け相場は持ち直しています。
金価格は長らく横ばいに推移してきましたが、有事の金と言われる通り1オンス2000ドルの大台近辺に上昇しています。世界が大幅な金利上昇を実現している中で、日本だけは完全に遅行した状況を維持しています。日銀は10国債金利を操作するYCCを撤廃する方向に向けていますが、この程度では円安の歯止めとはなりません。円はいよいよ1米ドル150円台乗せとなっています。
7月の高値以降、世界株式市場は下げ続けてきまました。その間米国金利はほぼ一貫して上昇を遂げたにも拘わらず米国経済は独歩に堅調に推移しています。先行きの不透明感は払拭されていません。我慢の状況は当面続く見通しです。
LOGOSキャピタルパートナーズ
伊藤 武