日本株投資の現状
LOGOS 8月末世界市場レビュー2023
2023年月末主要指数
023年8月末/ 2023年7月末
ダウ工業平均 /34,721.91 (-2.4%)/ 35,559.53
S&P500指数 / 4,507.66 (-1.8%) / 4,588.96
NASDAQ指数 / 14,034.97(-2.2%) /4,346.02
日経225平均 / 32,619.34 (-1.7%)/33,172.22
米ドル対円 /145.50/142.32
ポンド /184.38/ 182.67
ユーロ /157.78/156.52
金 / 1,965.90 (-1.9%)/ 2,003.70
米10年国債/4.12%/3.95%
8月初旬に世界3大格付機関のフィッチ社が米国国債の格付を最上級のAAAから1ランク格下げを実施しました。S&P社も2011年に米議会による米国債務上限引上に際し、保守勢力の茶会派の強行措置を懸念して同様に米国債格付けを引下げています。それにより3大格付機関でムーディーズのみが最上級のAAAを保持することとなりました。米国国債残高上限の議会承認はアキレス腱となり、今後の議会紛争は回避困難となっています。フィッチ社はこの技術的要因だけではなく、コロナ前の米国国債残高が米GDP比90%であったのが現時点で120%近辺に拡大し、財政赤字と放漫財政に対する警告を発信しています。それにより米国債金利の2年物は4.9%台の高止まりとなり、10年国債金利も4%の大台に乗せています。
日本の金融政策は修正の兆しとして、日本銀行による10年国債利回りの上限を設定するYCCを見直し、0.5%から1.0%迄の上昇を認める措置を発表。その後瞬間的に円高に方向転換した矢先に米国債格付けの引下げ発表。その結果日米金利格差は縮小どころか拡大し、以後円安に進行しています。株式市場は歓迎しているものの過度の円安による為替介入も懸念されています。
7月の株価上昇後、米国債格付け引下げに伴って米国株式市場は一服状態となっています。8月下旬はカンサス連銀主催恒例のジャクソンホール世界主要中央銀行会議が開催され、米国FRB及びヨーロッパ中央銀行もインフレ対策の手綱を緩めることはなく目標インフレ率2%達成に必要な引締め堅持を再確認しました。弱含みの株式市場も月末には持ち直し始めました。生成AIは今や世界の注目の的となり、その先端半導体開発企業エヌビディアは第二四半期大幅収益増大を発表し注目の的となっています。時価総額も一気に20%程度拡大し1.2兆ドルを達成しました。依然として主要ハイテク企業が中心の相場展開となっています。
中国経済は不動産最大手恒大の経営危機が浮き彫りとなり、経済成長は大きく鈍化する見通しとなっています。大卒の就職難も社会問題化し、世界経済への影響も懸念され始めています。それに伴い新興国株式市場も足踏み状態となっています。
世界政治では、ロシア民間軍事会社ワグネル首謀プリゴジン搭載の軍事機が爆破されプーチンによる暗殺が確実視されています。ヤクザ国家ロシアを露呈しています。米国では来年の大統領選に向けて数多くの共和党立候補者の第一回テレビ討論会が開催されました。既に4件の事件で告訴されているトランプ大統領不在でも共和党における彼の人気が浮き彫りされています。確率は低いながらもトランプ2期目大統領就任の可能性が世界で懸念され始めています。
LOGOSキャピタルパートナーズ
伊藤 武