LOGOS年2月末世界市場レビュー2024
LOGOS 6月末世界市場レビュー2023
2023年6月末主要指数(2023年6月末/ 2023年5月末)
ダウ工業平均:34,407.60 (+4.6%)/32,908.27
S&P500指数:4,450.38 (+6.5%)/4,179.83
NASDAQ指数:13,787.92 (+6.6%) /12,935.29
日経225平均:33,189.04 (+7.5%)/30,887.88
米ドル対円:144.33/139.09
ポンド:183.40/173.13
ユーロ:157.56/151.70
金:1,927.80 (-2.7%)/1,982.10
米10年国債:3.84%/3.65%
6月の世界株式市場は全面高となり、4月以降の日本市場の急騰は月末には息切れが見られましたが、月間ベースで日経225平均は7.5%の上昇となりました。先月末のレビューで日経225平均の数値はNYダウ平均と同水準に追いつくかをほのめかしました。事実、月間ベースの日経225平均は先月末のNYダウ平均を追い越しましたが、6月は米国市場も全面高となり、今後もその動向を注目すべきでしょう。先月末に米国の法的債務上限が2025年年初迄自動撤廃となり、当面の債務問題が解消したことによって米国株式市場の後押し要因となっています。年初来米国では技術革新の飛躍が注目され、それにより巨大ハイテク企業が再び注目を浴び市場支配を回復しています。テスラは史上最高値を更新し、また先月決算発表のエヌビディアは生成AI用半導体の収益が飛躍し、巨大ハイテク企業は軒並み高値を更新しています。アップルの時価総額は3兆ドルを突破。金額的に日本のGDP比3/4に匹敵しています。S&P500種指数は昨年10月の底値から20%強回復し、市場定義ではブルマーケット突入を示唆しています。
年初来の指摘通り、株式市場は強気のバイアスが継続しています。その背景には米国インフレは9%台から5%程度の水準まで低減し、インフレ楽観論者は2024年末頃には目標2%程度達成を予測。そして景気は底堅く、警戒的観測ですら深刻な景気後退は回避できる見通しが主流となりつつあります。6月末にはポルトガルで主要中央銀行首脳会議が開催され、インフレ警戒論が支配していることが確認されました。英国中央銀行は政策金利を0.5%引上げ、欧州中央銀行も今後も一層の引締め堅持を強調。米FRBも6月は政策金利を据え置いたものの、今後は2度程度の再度引上げを発言しています。6月30日発表の米国物価は4%割れとなり相場は月間最大の上昇を演じました。LOGOSでは一貫して米10年国債金利に注目し、4%を要注意水準と指摘してきました。4月末時点で3.4%台であったのが5月末は3.6%台、そして6月末は3.8%台となっています。それに対し2年国債利回りは4.9%台であり、長短金利逆ザヤは継続し、過去の経験原則では不況は不可避の様相です。米国景気は予想を遥かに上回る堅調を示し、減速が鮮明になり、インフレ克服が困難となる様相を以て初めて大きな調整を必要とするのではないでしょうか。3月にシリコンバレー銀行が崩壊し、金融危機は遠のきましたが、金利の急騰は今後の信用収縮を余儀なくするでしょう。当面は一進一退の状況が予想されます。月末にポルトガルで開催された主要中央銀行総裁会合で日本だけは例外中の例外となり、植田総裁は今後も超金融緩和継続を表明しました。日本のプレスは植田総裁の他諸国とは全く異なる次元の発言で多くの笑いを喚起し、植田総裁が人気を集めたことを報道しています。6月の更なる円安要因となっています。他に世界景気で注目されるのは、インドの躍進に対する中国の問題提起です。コロナ後開放以降の景気回復は予想を下回り、6月には政策金利を下げるに至りました。
地政学的には激震が生じました。ウクライナ戦争で進攻を請け負った民間軍事機構ワグネル指導者の謀反が失敗に終わり世界を唖然とさせました。今後のウクライナ戦争に対する影響は定かでありませんが、プーチン政権の脆弱性の露呈と観察されています。
LOGOSキャピタルパートナーズ
伊藤 武