PMが意見対立を整理するための5つの観点

久富徹

久富徹

テーマ:プロジェクトマネジメント

このコラムの概要

プロジェクトマネジメントを行っていると、日々いろいろな意見の相違を感じます。私自身の意見と他の方の意見とが異なることもあれば、私以外の二人の方が意見の相違をめぐって議論を続けていることもよくみかけます。このような時、プロジェクトマネージャーとしてはとにかく結論をだして先にすすめることを優先してしまいますが、少し時間のある時に次のような観点をもつことで相手の期待値をより深く理解できるのではないかと考えました。

発言の意図の理解

相手の発言の表層をまずは理解しましょう。ここは5つの観点があります。

  1. 技術的・方法論的妥当性:その主張は専門的知見に照らし合わせて正しいのか誤っているのか。
  2. 発言者が守りたいもの:この人は何を最適化しようとしているのか。
  3. 発言者が回避したいもの:この人は何を恐れているのか?
  4. 発言のレイヤー:例えば技術的ベストプラクティスなのか、責任の所在なのか、組織の話なのか。
  5. 発言時の前提条件において、発言は合理的か:プロジェクトが置かれている状況と鑑みて発言は合理的なのか非合理的なのか。


一つ一つを説明すると長くなりますが、例を一つ挙げましょう。とあるプロダクト開発において、CPOが「このレポートの情報は不足している、すべてのPDCAサイクルの進捗率と課題、プロダクトに対してのインパクト、価値毀損リスクをすべて記載せよ」と発言したとします。これは

  1. 技術的・方法論的妥当性としては問題ないですね。CPOなので担当しているプロダクトがどのような状況にあるのかをより細かく知りたいから、具体的に必要としている情報を列挙しているわけです。
  2. CPOが守りたいものは、プロダクトの改善速度を維持したいと思われます。
  3. 一方でCPOが回避したいことは、改善速度を上げたことによるプロダクトの価値毀損リスクですね。インパクトと並べて最後に念押ししていることから、読み取れます。
  4. CPOはテクニカルな指示をしているように見えますが、実際は各施策の責任を指摘できる情報を集めています。
  5. この発言だけ取り出すと前提条件は読み取れませんが、例えば競合プロダクトがシェアを伸ばしている状況であれば、各改善施策をモニタリングしたいという指示は「マイクロマネジメント」として非難されるものではないでしょう。CPOとしてより細かく把握し、競合に対して先手を打った改善を行いたい、という意図だと理解すべきです。


この5つの観点から発言を振り返ることで、「CPOがマイクロマネジメントしてきた」と感情で捉えるのではなく、CPOが何を求めているのかを自分自身に落とし込むことができます。

最後に


実はこれだけでは十分ではありません。なぜなら、人は論理だけで意思決定していないからです。続きは弊社ブログにて記載してありますので、ぜひこちらもご一読ください。

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久富徹
専門家

久富徹(プロジェクトマネージャー)

合同会社傾聴

プロジェクトマネージャーとしてソフト開発に携わり、発注者と受注者の橋渡し役を担う。双方の認識のずれや言いづらさを整理し、言語化されていない要望や不安をくみ取り、現実的な着地点へ導きます。

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