「住みながら家を売る」って、やっぱり不安?でも大丈夫!
物件を見に行ったとき、「条件は悪くないのに、なんとなくイヤ」と感じた経験はありませんか?
逆に、「ここ、なんだか心地いい」と思えることもあるかもしれません。
その直感、気のせいではありません。
今回は、住まいが心に与える影響と、「感覚を大切にした住まい選び」についてお話しします。
■ 「なんとなくイヤ」には理由があるかもしれない
私たちの脳は、意識できる前に、目に見えるもの・聞こえる音・匂い・空気の重さ・光の質など、五感からの情報をすでに処理しています。
その結果として、説明はできなくても「ここはなんかイヤ」「落ち着かない」と感じることがあるのです。
また、暗く閉鎖的な空間は、心理的なストレス反応を引き起こしやすく、風通しの悪さや湿気、過去の記憶に結びつくような場の雰囲気が、無意識に警戒を促していることもあります。
こうした感覚は、心と身体を守るためのセンサーのようなもの。
だからこそ、頭で条件を整理するだけでなく、自分の中に湧き上がる感覚にも耳を傾けてみてほしいのです。
■ 住んでから感じる「心地よさ」もまた、大事なヒント
逆に、住み始めてから「なんかいいな」と感じる瞬間もあります。
こうした感覚も、脳や身体が「安心していいよ」と教えてくれているサインです。
■ 光と風がくれる「持ち直す力」
人が病気になるのは、家や土地のせいではありません。
でも、日当たりや風通しが良ければ、落ち込む気持ちを日々の光と風で持ち直せることもあります。
暗くて気が滞っている住まいに長く住んでいると、自分では気づかないうちに、
苦しい出来事がふりかかってきたときの防御力や持ち直す力が弱ってしまうこともある。
眠れない夜が続いても、朝日が差し込んで自然に目覚められたなら。
風が通って心がすっきりほどけたなら。
「また今日が始まる。今日一日だけでも、またがんばってみよう」
そう思えることが、きっとあると思うのです。
■ 強い人でも、環境の影響を受けることがある
たしかに、どんな環境でも前向きに生きられる、強靭なメンタルの人もいます。
でも、そういう人でも、やっぱり影響は受けているはずです。
気づかないうちに疲れていたり、少しずつ摩耗していたり。
どんな人にも、居心地の良さや心がほぐれる瞬間は、必要だと思うのです。
もし、住まいに満足がいかないときがあっても。
散歩に出て、光や風を感じるだけで、心が整っていくようなことがあります。
たとえば、風が吹いて、空を見上げたら鳥が気持ちよさそうに飛んでいた。
そんな光景にふと心がゆるんだとき、「この場所、やっぱり好きだな」と思えるかもしれません。
どこかに、少しでも自分の呼吸が深くなるような場所があると、人はなんとかやっていける。
それだけでも、十分だと思える日もあるはずです。
■ 答えの出ない感覚こそ、大切にしてみてください
もし、「条件はいいのに、気持ちがついていかない」と感じたら、
その感覚を「なかったこと」にせず、立ち止まってみてください。
何がそう感じさせたのか。
すぐにはわからなくても大丈夫です。
それを小さな宿題として、心の片隅に置いておいてください。
いつかきっと、「ああ、だからだったんだ」と
その答えがふいに見つかるときがくるかもしれません。



