「住みながら家を売る」って、やっぱり不安?でも大丈夫!
お金に対する考え方や使い方には、その人なりの価値観や背景が表れます。
誰にとっても身近な存在でありながら、その向き合い方は本当にさまざまです。
「人がお金をどう見るか」によって、その人の生き方や選択が垣間見えることもあります。
これまで生きてきて、そして不動産業者として人と接してくる中で、お金にまつわる人それぞれの在り方に触れる機会がありました。
今回は、お金との付き合い方について、思うところを綴ってみました。
お金の話は、難しい
お金儲けに強く関心がある人と、自己成長を生きがいにする人とでは、同じ「お金」という言葉を使っていても、まるで会話が噛み合わないことがあります。
おそらく、お金そのものの価値の捉え方が違うのでしょう。
どこまでのことをやってよいと思うか。儲けたお金をどう使うのか。
人によって、お金の使い道も、意味づけも異なります。
「すばらしい家」の意味も、人それぞれ
たとえば、お金があれば理想の家に住むことができます。
しかし、どんな家を「理想」と感じるかもまた、人それぞれです。
売れば高い値段がつく土地に建てられた家を「すばらしい」と誇る人もいれば、値段はつかなくても自分好みに建てた家に満足する人もいます。
人気のタワーマンションの上層階を競争の末に手に入れたことに価値を見いだす人もいます。
今の時代、建売住宅を購入すること自体も決して簡単ではありません。
狭い土地に建てられた建売住宅であっても、住宅ローンを組むには大きな覚悟が必要です。
親名義の土地に家を建て替えたケース、中古マンションを選んだご夫婦の堅実な選択、賃貸での住み替えなど、暮らしとお金の関係は実にさまざまです。
お金があっても家を借りられないこともある現実
たとえば、離婚を機に子どもを連れて新しい生活を始めようとする専業主婦だった女性。
まとまったお金はあっても、安定した収入がなければ、借りられる物件がなかなか見つからない。高齢者についても同様のことが言えそうです。
これらの現実を目の当たりにすると、「お金があること」と「選択肢があること」が、必ずしも一致しないことに気づかされます。
お金より大切なものがある人もいる
一方で、経済的にも成功したのち、成功を手放して仏教の修行僧になった方もいるようです。
その人にとっては、お金よりも大切なものがある。
お金があることで、むしろ大切な本質に近づけなくなるのかもしれません。
私には到底真似できませんが、そこまでしても追い求めたい価値があることに敬意を抱きます。
お金は人生を照らす光にも、影にもなる
お金は、大きな金額であっても小さな金額であっても、人の人生を左右します。
夢を見せてくれる存在であり、時にはその残酷さで人を追い詰めることもあります。
ギャンブルにのめり込み、借金を繰り返す人もいれば、得たお金を寄付や社会貢献に使う人もいます。
人がどんなふうにお金を手に入れ、どう使うか。
お金との付き合い方に、その人自身が映し出されることがあります。
借金の現実と「最後の砦」について
借金にもさまざまな理由があります。生活のため、事業のため。
返済が難しくなると、心も体も疲弊し、人によっては酒や薬に頼るようになることも。
借金の金額が大きくなくても、追い詰められれば、人は壊れてしまうものです。
不動産を所有している場合、高利の借入の前に、その資産をどう活かせるかを冷静に考えてほしいと思います。
最後の砦として残された不動産があるなら、それをどう使うかが命運を分ける場面もあります。
焦って安い金額で契約書にサインしてしまうようなことのないよう、理性を保つ力が求められます。
お金は、ただの紙でも数字でもありません
お金は、ただの紙でも数字でもありません
人が何を大事にし、どう生きたいかを映し出す鏡のようなものかもしれません。
お金に振り回されず、自分にとって意味ある使い方ができるよう、ふだんから考えたり準備したりしておくことが、きっと人生の支えになります。



