展示会場
「これ、どうやって作るの?」——私の作品を手に取ったお客さまに、こうたずねられることが多いです。琥珀やべっ甲の表面に極細の針で絵柄を彫り込み、その溝に漆を塗って純金粉やプラチナ粉を定着させる「沈金」の技法は、日本が世界に誇る漆芸のひとつです。蒔絵とならぶ日本の伝統工芸でありながら、これをジュエリーに応用した表現は、他ではなかなか見ることができません。
私の作品の根幹にあるのは、ヨーロッパ発祥のガラス加飾技法「グラスリッツェン」から学んだ、極細の針による緻密な彫り表現と、漆芸の「沈金」を融合させた独自のスタイルです。グラスリッツェンのダイヤモンドポイント彫りの技術を、ガラスではなく琥珀やべっ甲に応用するという発想は、私自身が長年の試行を経てたどり着いたものです。顕微鏡をのぞきながら彫り進める繊細さは、レースのような細密な模様を生み出し、他の誰にもまねできない輝きをアクセサリーに宿します。
さらに、私がこだわっているのが、オリジナルブランド「LaFata(ラファータ)」を掲げた「すべて一点物」という制作方針です。同じモチーフでも、素材となる石の形・色・質感が一つひとつ異なるため、まったく同じ作品は二度と生まれません。花やチョウ、鳥、ユニコーンなど豊かなモチーフを、素材の個性に合わせてデザインし直すことで、世界にひとつだけの作品が完成します。
年間に制作するのはおよそ120点。希少性と芸術性を兼ね備えたアートジュエリーとして、宝飾店や百貨店などで展開しており、審美眼を持つお客さまにご支持いただいています。
「一点物との一期一会の出会い」が生む価値を、これからも届け続けていきます。



