借金を相続させる遺言はできる?
こんにちは、行政書士の佐藤です。
よく「うちの子たちは仲が悪くないから、相続争いなんて考えられない」といった声を耳にすることがあります。
しかし、実際に相続争いになるのは「仲が悪い」からではありません。
お金以外のことで納得がいかなかったりすることが原因だったりします。
そうだとしても、最終的に「お金で解決しなければならない」のが相続だったりします。
さらに、「もらえるものはもらいたい」というのがありますので、相続は譲り合いではなく権利主張の場となります。
今の時代、権利主張は当たり前となっていて、「仲が悪い」というのが原因ではありません。
それでは、相続争いにならないためにはどうしたらいいのでしょうか。
答えは、遺言書です。
ただ、遺言書を書けばよいかというと、そうでもありません。
例えば、遺言書を書いても、むしろそれが原因となって相続争いになってしまうこともあります。
大事なのは、相続争いを避けるために「どのような遺言書を作成すべきか」ということです。
相続争いを避けるための遺言書
相続争いを避けるための遺言書を作成するには、いくつか注意しておかなければいけないことがあります。
大きく次の3つがあります。
相続人が遺産分割をしなくても済むように
「長男には財産の●分の●、長女には●分の●」というような相続分を指定する遺言書を作成してしまうと、相続人同士で遺産分割協議を行う必要があり、せっかく遺言書を作成していたのに相続争いとなる場所を提供してしまうことになります。
また、一部の財産だけを遺言書に記載してしまう場合も同じで、残りの財産について遺産分割協議が必要となります。
そのため、「すべての財産について、具体的、確定的に指定する」遺言書を作成しておく必要があります。
なるべく公平性に配慮した遺言書に
次に注意すべきなのが「遺留分」です。
基本は、法定相続分をベースになるべく公平な内容の遺言書を作成することが重要です。
しかしながら、そうするのが難しいケースもありますので、相続人で差をつけたいけども遺留分を侵害しないような遺言書を作成したいという場合は個別でご相談ください。
第三者に相談して遺言書を作成する
遺言書を作成したとしても、その作成したときの年齢、状況によっては「遺言能力に疑いあり」とか「長男に誘導されて書かされた」など、相続争いの原因になってしまうことがあります。
そうならないためには、「第三者の専門家に相談して遺言書を作成する」ということが極めて重要です。
さらに、遺言の執行を速やかに、他の相続人に妨害されないためにも、「第三者の専門家を遺言執行者に指定しておく」というのが遺言書の作成において欠かせません。
遺言書を作成した後に
遺言書を作成した後は、どこかのタイミングで相続人それぞれに「ちゃんと終活して、遺言書は作成してあるから安心するように」などと、一言伝えておくと、相続争いになりにくい環境になります。
将来、実際に相続が開始したときに、「そういえば、遺言書を作成していた」という記憶があるので、遺言書の内容を受け入れやすい心理状況になるからです。



