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第一線で活躍する演奏家が「実践に生きるスキル」を伝え、音楽の喜びと自分らしい生き方を発信

プロの演奏技術を伝えるトロンボーン・吹奏楽指導者

星野和音

星野和音 ほしのかずね

#chapter1

個人や吹奏楽部に向けて物理的・論理的にレッスンし、コンクールもサポート

 「『音を出す仕組みは理科』と捉え、振動と伝搬など、音が発生して伝わるプロセスに物理的・論理的にアプローチし、第一線で活躍している演奏家が『実践に生きるスキル』を惜しみなくおすそ分けします」

 そう語るのは、バストロンボーン奏者の星野和音さん。日本を代表するオーケストラなど、各方面で奏楽する中で培った知見を糧に、トロンボーンのプレーヤーや吹奏楽部にレッスンを行っています。

 「個人レッスンでは、私自身が苦労したクセや現在の演奏スタイルをもとに、口の形や息の流れなどを具体的に示します。奏法を根本から改善することで、『なんとなく調子が悪い』といった抽象的なスランプの解消をお手伝いします」

 吹奏楽は「団体競技」と考え、奏者が互いの音を聴き合わせ、調和する力を重視。指揮者としても実地を踏んでいるため、星野さんについていけば間違いないと、生徒・部員からの信頼も厚いそう。

 「各楽器の特性に合わせて『理科で解決』する独自のメソッドを確立し、音程やリズムなど『100点満点が存在する』基礎的な部分を徹底的に強化しています。10~15分ほどの練習を長期的に継続することで、奏者全員の音楽性を底上げし、複数の音がバランスよく響く統一感を生み出します」

 コンクールの審査員も務め、本番で求められる「自然な表現」を指導。パフォーマンスの仕上げ段階までサポートしています。

 「いずれも、初心者からプロ志望まで個々のレベルに合わせて指導しますので、伸び悩んでいる方もぜひご相談ください。音楽ファンを増やし、未来のクラシック市場を盛り上げたいですね」

#chapter2

中学の吹奏楽部でトロンボーンを始め、プロの奏者や指揮者、指導者の道へ

 5歳からピアノとバイオリンを習っていた星野さん。中学では、担任の先生や父がトロンボーン経験者で、家に父の楽器が残っていたことから吹奏楽部に入部し、トロンボーンを担当。順調に上達し、高校では全国大会を目指す強豪校へ進みました。

 「学びが多い半面、約100人の部員の中でコンクールメンバーは半分以下という厳しい環境で、『良い音』を追求して1年半かけて奏法の根本を見直しました。練習ばかりで、人生で最も寝ない3年間でした」

 進学した国立音楽大学では、バストロンボーンを専攻。先輩の紹介で、高校吹奏楽部の指揮者と指導のアルバイトも始め、多様な音を聴き分け、全体を調和させる「耳の使い方」を習得。自身の演奏技術も向上したと言います。

 桐朋学園大学音楽学部研究科も修了し、登竜門の一つ「ヤマハ管楽器新人演奏会」に選出され、プロから声がかかるように。

 「ディズニーオンクラシックの全国ツアーや、日本有数の劇団によるミュージカルにも参加しました。それぞれの現場に調和するよう、音量をコントロールするなど苦労もありましたが、さまざまな現場が成長につながりました」

 現在は、富士山静岡交響楽団やハーツウインズ楽団をはじめ、首都圏のプロオーケストラ、ミュージカルなどで演奏。市民楽団のブラスオルケスタ(静岡・八王子)、都立八王子桑志高校吹奏楽部では指揮者兼指導者を、常葉大学短期大学部音楽科、常葉大学附属橘高校吹奏楽コースでは非常勤講師も務めています。

#chapter3

性別を問わず誰もが楽しめる音楽を通じて、多様性に富んだ社会を目指す

 勇ましく力強い低音や柔らかく温かな音色など多彩なサウンドを武器に、CDをリリースし、ソロリサイタルを開催し、表情豊かにメロディーを奏でる星野さん。合奏で副旋律を演奏する際は、作品の歴史や世界観を熟考し、その曲にとって「正解の音」を探究しています。

 「プラモデルのパーツのように、単体では全体像はつかめませんが、音が融合することで一つの音楽になる面白さがあります。特に主旋律を引き立てる喜びは格別。トロンボーンは美しいハーモニーが魅力で『神の声』とも呼ばれ、過去には教会のミサで人の声の補強に用いられ、荘厳で神聖な楽曲もあります」

 繊細な感性で音を紡ぐ星野さん。体は女性ながら心は男性で、トランスジェンダーとして苦悩したことも。

 「中学では実はバスケ部に入る予定でしたが、男女に分かれている点に違和感を覚えたことも、吹奏楽部を選んだ理由です。性別を問わない自由な世界で自分らしく活動でき、友人は初めてのカミングアウトも受け入れてくれ、人生の可能性が広がりました。大学ではLGBTQ+当事者も多く、苦しみはさらに軽くなりました」

 多様性が浸透する過程で、女性奏者と呼ばれることに抵抗を感じ、「舞子」から「和音」へ改名し、胸部手術やホルモン治療を開始。今では見た目も声も男性らしくなり、講演やイベントで自身の経験を発信しています。

 「誰もが楽しめる音楽のように、皆さんが自分らしく生きられる社会を願っています。LGBTQ+の悩みを抱える方々の相談窓口としての役割も担いたいですね」

(取材年月:2026年4月)

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星野和音

プロの演奏技術を伝えるトロンボーン・吹奏楽指導者

星野和音プロ

トロンボーン・吹奏楽指導者

培った技術を惜しみなく伝授。音程やリズムは、独自メソッドで基礎力アップを目指し、音を出す仕組みは物理的な視点から。プロの的確な情報をその場で実感し、自分のものにできる指導が最大の魅力。

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