風、声のデザインルーム風 うれしいお知らせ!
第2章
堀野式発声法とは?
音楽と「表現」は切っても切れない関係にあります。
ただ、表現は無形なものだからこそ、練習法や実践法を難しく考えてしまう方も少なくありません。
そこで、編み出したのが、「堀野式発声法」です。
ズバリ三つの視点から、表現を考えます。
まず一つ目は前章でもお伝えした通り、歌う人の心理が関係してきます。
二つ目は、ミーム身体法。
三つ目は、呼吸法「丹田呼吸」
この三つをドッキングさせた発声法が「堀野式発声法」です。
では、丹田呼吸法とはどんな呼吸法なのでしょうか。まずは、お腹を満月のように膨らませる
イメージをしてみてください。
そして、その際は膨らませることだけに意識を集中してみてください。
もうこれ以上、お腹が膨らまないというところまでいくと、次に新月をイメージしてお腹を
「グーーーツ」と尾てい骨のほうに向かってゆっくりへこませていきます。
そして「これ以上へこまないよ」というところまでいったら再び、満月をイメージしながら
お腹を膨らませていきます。
これの繰り返しを丹田呼吸といい、堀野式発声法で最も重要なメソッドになります。
ここで注意したいのは、決して口、肩、胸で息を吸わない事。
まずはおヘソを膨らますように意識の集中してみてください。
そして、息を吐く時も「ハーーーッ」と拍のではなく、膨らませたおへそを尾てい骨に向かってへこませるイメージ吐きます。この際、息を吐く、息を吸うというようなイメージで呼吸しないこと。
あくまでもおヘソを膨らませる、へこませるだけ。
おへそを膨らませるとは、満月状態。
おへそをへこませるとは、新月状態。
まるで、月の満ち欠けのように静に呼吸する。これこそが丹田呼吸ということであります。
次に、ミーム身体法について。
ミームとはフランス語で無言劇「パントマイム」を意味します。この技法は仏蘭西の俳優さんたちがよく
取り入れる身体法になります。私も留学から帰国後、日本の俳優さんたちと一緒によく
勉強したものです。
無言劇「パントマイム」はセルフのない劇だからこそ{ただ歩く}という動作にも細かな
表現力が必要とされるのです。
これを声楽の世界で実践すると?
ただ歌うだけでなく、音声の聞こえない映像を見ても、その表現が伝わるように歌うということ。
つまり、細かな動作も意識して歌うということです。音だけが表現する方法ではなく、動作も必須
ということですね。
このミーム身体法にも丹田呼吸が必要とされるので、指1本の動きも含めた呼吸の仕方が
重要になります。
だからこそ表現にも大きな影響を及ぼすということですね。
総称して「堀野式発声法」とは、肉体と声、心理が常に同時に働きかけ、
あなたの表現を生み出す 「生きた発声」を呼び起こす方法なのです。
レッスンのために場所や時間を改めて確保するわけではなく、常日頃から、{表現力}を探求し続ける。
だからこそ、技術「スキル」と心のバランスが保たれてくるのではないでしょうか