体と精神を1本にして歌うと、、、

堀野温代

堀野温代

ある男性のレッスンで、古典歌曲を何曲かやってみました。イタリアに留学経験のあるかたなので、話が通じやすく、人生観や勉強館も似ているので大変やりやすい。古典の中でもあまり歌われない素敵な曲。
私は、イタリアの街から遠くの山にみえる糸杉を見つめるような感じで、まさに糸杉のテッペンと足で踏んでいる現在地を尾てい骨として、これを精神で1本のラインとし、このラインの中に息を行き来させるつもりで歌ってくださいと言いますと、直ぐその世界に入れる人なので、それだけで、もう歌えてしまい、溜息
で一杯になるのです。意識をどう持つかでかなり声に変化がでます。意図的に息を流し込むのですね。特に、古典は時空空間が繊細で、今,を忘れさせてくれますが、今,ここで歌っている=と言う事も不思議のヴェールに覆われなんともいい気分になります。体をどうしよう?は去って、そうなってくれるところに来ているのです。
そのあとオペラアリアに。今,克服せねばならない事がありそうなのですが、それを、克服と思わず全部1本の線でその意識を尾てい骨に降ろし、すぐまた回転しながら上に運び上下運動をしているうちに、それが克服?とやらを自然に流し、なんでもなく声は3点ドを出しました。体が勝手に出したのです。意識より先に体が進んだのです。この様なレッスンは時間を忘れさせてくれるので、1日中でも出来そうなんです。修行なんですね。

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堀野温代
専門家

堀野温代(「声」の指導者)

風・声のデザインルーム

イタリア留学と長年の研鑽、多数の舞台経験から、身体の使い方、呼吸法などを総合する「堀野式発声法」を確立。音大入試やオペラ団体への入団、声楽コンクール等で高い結果を出す生徒を多数輩出している。

堀野温代プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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