ビジネスパーソンは、なぜその色を選ぶのか?vol.2「歴史的背景からの謎解き」

伊藤さゆみ

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ビジネスパーソンは、なぜその色を選ぶのか?vol.2「歴史的背景からの謎解き」

日本人のDNAに刻まれた美徳

古来より畏敬の念を抱いてきた色

多くのビジネスパーソンから選ばれ続けるカラー「ネイビー」。法人記念品の社員証ケースの色別納品実績を見ても、ネイビーはこの10年間、毎年トップです。革の社員証ケースに限らず、スーツやネクタイなどビジネスシーンにおいて必要なアイテムには欠かせないこの色。不動の人気を誇ります。品がよく控えめながら凛とした存在感を放つこの色、実は日本の長い歴史や奥深い文化的背景からも、選ばれ続ける理由を紐解くことができるのです。

古来、日本では深い青を海や空(宇宙)に見立て、畏敬の念を持ってきました。それは「動じない心」や「冷静沈着」を意味します。日本の伝統色としての紺は、単なる濃い青ではなく、わずかに赤みを含み、かつ深みを秘めています。古来より人々にとって厳かであり、神秘的であり、信頼を醸成する独特の色彩といえるでしょう。

鎌倉より武士の魂を象徴する「勝ち色」として

鎌倉時代、藍染めの中で最も濃い色を「勝ち色」と呼びました。由来は布を叩いて染料を染み込ませる工程が「搗く=かつ(勝つ)」に通じることから、武士たちが縁起を担いで紺色を愛用したとされています。

戦国武将が鎧の下着や兜の紐、刀の下げ緒に好んで紺を用いたのは、「己に打ち勝ち、戦に勝つ」という強い意志の表れ。いわゆる勝利を祈念して鎧の下に纏った色であったと云われています。

現代のビジネスに繋げてみると「勝利を呼び込む」「仕事で成果を出す」という、ビジネスパーソンにとって最も率直な願望が無意識のうちにこの色に託されています。つまり、企業も人も暗黙のうちに勝色(かちいろ)としての縁起を纏っているのかもしれません。

江戸庶民の「粋」という文化

江戸時代は幕府による「奢侈禁止令(ぜいたく禁止令)」により、庶民が派手な色を着ることを禁じられていました。その制限の中で、日本人は藍染めの濃淡だけで数百種類ものバリエーションを生み出し、お洒落を楽しみました。その中でも紺は、汚れが目立たず、何度も染め直せる実用美の頂点でした。紺色は慎ましさの中に洗練を宿す、究極のミニマリズムとも言えるでしょう。

それを現代に紐付けてみるとどうでしょうか。ビジネスパーソンにネイビーが選ばれる心理には、「目立ちすぎず、しかし質の良さで自分の矜持を示す」という、江戸っ子特有の「粋」な美学が流れています。ある意味、控えめな自己主張の体現ともいえるのでしょう。

明治時代「ジャパン・ブルー」と称賛された色

明治時代、来日した英国人学者が、街中に溢れる藍色を見て「ジャパン・ブルー」と称賛したことは有名です。流行ではなく、文化を身に纏う日本人の姿と美徳を察した素敵な言葉です。

日本の伝統が受け継がれた天然素材、藍染めは見た目の美しさや肌触りの良さだけではなく、防虫・消臭・抗菌・難燃性に優れた実用的な色として、また肌を守る色として庶民の生活に浸透していました。その機能的側面からも藍色=ネイビーは清潔感を感じやすく、身近で信頼のおける色として日本人に馴染んできたのです。

紺色は、染めを繰り返すことで深い色調になります。この「手間暇をかける」工程が、日本人の職人気質=誠実さや堅実さという価値観と結びついています。企業が社員に求めるニーズとの合致もまた見事です。多くの企業がコーポレートカラーに採用する「ジャパン・ブルー」。その価値は、現代においてもしっかりと受け継がれています。

日本の歴史的背景に宿る美しい色

こうして紐解いていくと、このネイビーという色は古来より日本人に愛され続けてきた色であり、日本人のDNAに刻まれた美徳が投影された色だということがわかります。

今、数多くの企業に選ばれ続けているネイビーは、偶然の人気ではなく、必然の選択なのです。
ID社員証ケースは、社員の胸元を飾る企業の「顔」。 今この瞬間も、数多くのビジネスパーソンがネイビーを身につけ、日々の業務に邁進されています。
日本人にとって時代を超えた普遍的なこの色は、企業の品格を体現するカラーとして誇り高く、そして美しく、静かにその存在感を放ち続けることでしょう。


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伊藤さゆみ
専門家

伊藤さゆみ(法人向け高級記念品の企画・製造・販売)

グラネス株式会社

日本製ならではの品質の高さ、お客さまの立場に立ったきめ細やかなサービスを基本とし、名入れを施した世界に一つの高級記念品・高級ノベルティを制作。上場企業や老舗企業等への納品実績多数。

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