グローバル有名企業の表彰記念品～ゴールドの金具の輝き～

世界に飛び立った日本製の高級社員証ケース

なぜ会社の表彰記念品に高級社員証ケース？

毎年、社内の表彰記念として本革製の高級社員証ケースをお選びいただいている会社様がいらっしゃいました。ある時、ご担当の方がこのようにお話しされました。「表彰された社員は、高級な革の社員証ケースを首からぶら下げることができるのです。そしてとても目立つのです」

なるほど！オリンピックの金メダルや銀メダルのイメージと重なりました。表彰＝首にかけるというのが大きなポイントです。高級社員証ケースを身に着けることは、優秀な社員としての証になる。努力の賜物として、そして誇りの象徴として胸元を飾る。また、社員証ケースは飾っておくものではなく、日々使うもの。高級な革の社員証ケースが社員のモチベーション向上に寄与できるということを、お客様から教えていただいたのでした。

金メダルをおかけするような気持で

そもそも表彰記念品というのは、限られた社員の方にお配りするもの。価格は多少お高めでも、数は少ないというのが従来の概念でした。ところが、ある年その概念を覆すオーダーをいただくことに。
グローバル展開を行う大企業の部署の表彰記念品でした。その部署だけで数千個単位の数。国内本社、支社および世界中の海外拠点への配布を前提としたご注文だったのです。

高級本革の社員証ケースは、長年積み重ねてきた私どもの大切な品物だけに、まるで手塩にかけて育てた我が子が世界に羽ばたいていくような、何とも言えない気持ちになりました。歴史あるグローバル企業の「表彰記念」という名に恥じぬよう、そして多くの社員の皆様に喜んでいただけるよう、お一人お一人に金メダルをかけさせていただくような気持ちで、良い記念品を製作させていただこうと誓います。

社員証ケースとストラップを接続する留め具やリベットは、通常シルバー色で製作するのですが、くしくもその企業がお選びいただいたのは「金色」でした。

職人たちの心意気

どんなに数が多くても、一つ一つを丁寧に作り上げていきます。それが日本の一流の職人です。なにがなんでも良いものを作り上げる。数が多ければ多いほど、職人たちの士気は高まります。そうして一つ一つ、高級と称していただける価値に値する社員証ケースが出来上がってきました。自信を持って送り出せると確信しました。

やがて、その社員証ケースは出荷日を迎えます。まずは国内本社への発送です。無事、ご担当者様のお手元に届き、受け取りの第一報と共に、大変嬉しいご感想をいただくことができました。首からかけた瞬間「モチベーションが上がりました！」とのお言葉。送り出した側、作り手にとって、これほど誉なことはありません。早速、製作を手掛けた職人たちにも伝えると、職人たちのモチベーションもUP！心意気はますます高揚します。
本社の次は、支社へ。そして、さあ次はいよいよ世界へ、と準備を万端に整えました。

まさかの出来事

海外の第一便はヨーロッパ行きで一番早いスタートを切ります。各国、無事税関を通過しフランスやドイツなど主要な拠点に到着。次はアメリカへの出荷です。アメリカでもいくつかの拠点への配送となり、その拠点別に納品数もことなるため、出荷担当はミスのないよう念入りにチェックを行います。こちらも無事税関を通過。本土に着いたことが分かりひと安心というところでした。

ところが、数日経ったところで日本本社のお客様からのご連絡。メールと同時に一枚の驚愕の写真が届いたのです。アメリカの、ある拠点に到着した荷物の写真、、ダンボールの中身が空っぽなのです。たまたま、そこの拠点への納品数は少数だったため被害は最小限で済みましたが。初めは茫然と意味も分からず、日本ではあり得ないことに向き合うしかありませんでした。

海外の配送ドライバーは、荷物を放り投げることがよくあると聞いたことがあります。日本の宅配業者さんの姿を毎日のように見ている私共にとって信じがたい話です。段ボールが破損して品物が抜け落ちた？？とにかく品物が無いのですから、至急対処しなくてはなりません。もちろん、まずフェデックスに一報です。

企業の対応

「消えてしまった社員証ケース」の行方は謎。こういう現象はアメリカでは珍しくないことなのでしょう。モノを探すのではなく、すぐ補償についての対処に進みます。状況から盗難の可能性が高いと考えられるとのこと。すぐに再出荷の手配を行いました。
予備を多めに作っていたことで代替の品物を迅速に送ることができたこと、約束の納品日に納めることはできませんでしたが、お客様（日本本社の担当者様）に寛容に受け止めていただけ事なきを得たのでした。

これだけではありません。中国のある拠点には何日経っても届かず、税関で止まったままという事態が発生。想定以上の関税がかかり、何日も経ってから、金額はこれだけになるが問題ないかの連絡が来たのです。私たちはその旨をお客様に報告します。一般通念以上の金額の高さを承知の上で、迅速に支払いの承諾をいただけました。

海外発送の経験を得ている私たちでも、それ相応の数となると日本では想定できない不測の事態がいくつも起こり、それを重々踏まえておかなくてはならないことを学びました。何より、思わぬ事態が発生したとき、柔軟に迅速に、臨機応変に対処される企業の体制を学び、あらためて目に見えないところでの日本企業の素晴らしさを実感させていただきました。

世界で活躍する高級社員証ケース

こうやって様々な困難を乗り越え、世界に羽ばたいていった表彰記念品の社員証ケース。全数すべての納品を終えた瞬間、安堵とともに脳裏に浮かぶのは、世界各国の拠点で数多くの社員の皆様が首からかかげて日々活躍する姿。じわじわと嬉しい気持ちがこみ上げてきました。その社員の皆様を、その企業を応援したい気持ちになりました。

後に、あの社員証ケースは盗まれるほど海外でも魅力があったのではないかと第三者の方からのお声。たしかに、、すべてはプラス思考で考えます。

そして、これからもどんどん技術力を磨き、価値を高め、これからもたくさんの素晴らしい企業に選んでいただけるよう、あの金色の輝きに負けないよう一層の努力に励もうと、新たな気持ちに向かうのでした。

〜この物語に登場した記念品〜
本革製IDケース＜古城＞