飛行機(セスナ)・ヘリコプター合宿免許 シニアパイロットコース
飛行機の免許とは
日本の飛行機免許には、①自家用操縦士、②事業用操縦士、③定期運送用操縦士、④准定期運送用操縦士という4つの資格があります。
自家用操縦士免許は自動車免許で言うところの普通一種でアマチュアのパイロットライセンスです。事業用操縦士は第二種免許に相当しプロパイロットとして飛ぶことができます。
定期運送用操縦士や准定期運送用操縦士は簡単に言えばJAL、ANAなど旅客輸送や貨物の輸送を行う資格になります。
また、車やオートバイなどのように航空機にも飛行機、回転翼航空機(ヘリコプター)、グライダー、飛行船などの種類があります。
ここでは飛行機の自家用操縦士免許(アマチュア・パイロット免許)についてご案内します。
アマチュア・パイロットの資格で何ができるか
自家用飛行機免許を持っていると自動車のように家族や友人をを乗せて住んでいる町の上空を飛行したり、夜景を楽しむ等の遊覧飛行(無償の運航)、
また自家用機で旅行なんかもできます。
自家用操縦士の免許だけではプロパイロットとして飛ぶことはできませんが、自家用機を所有すればいつでも操縦することができ、また飛行クラブの機体をレンタルする
もしくは飛行機を共同所有すれば費用を抑えて飛行機を飛ばすことができます。
自家用操縦士免許を取るには
自家用操縦士の免許は、日本国内で取る方法と海外で取る方法があります。
日本国内で取る方法は、自動車教習所のように航空会社(航空機使用事業会社)で訓練を受ける方法とフライトクラブ(飛行クラブ)、或いはフリーの教官から教えてもらって個人で取得する方法があります。
飛行クラブは大学の航空部などのように学校の部活動をイメージするとわかりやすいでしょう。
いずれにしても天候の不安定な日本での訓練は免許取得までに結構な時間がかかります。集中した訓練ができれば操縦練習許可書の取得や学科試験などの手続きなども含め早ければ半年程度で取れるかも知れません。
仕事や学校との併用となれば、1年以上はかかるものと考えて下さい。
次に海外で取る方法ですが、留学先をどこにするかによって期間や費用が変わってきます。
海外での訓練は、アメリカ(本土、ハワイ、グアム)、カナダ、東南アジア、EU、オセアニアなど、多くの国や地域などで行うことができますが、航空留学の歴史が古いのはアメリカです。
航空留学の老舗 アメリカコースで飛行機の免許を取る
訓練期間は2ヶ月~が一般的
アメリカでの免許取得は、当初ハワイやフロリダ、天候に恵まれているロサンゼルスが主で、多くの日本人がアメリカで免許を取得しました。
当時は、$1=270円 くらいの円安でしたから訓練費も非常に高額でした。バブル期には$1=80円くらいとなり、アメリカでの訓練費は滞在費を含めても100万円強という時代もありました。
今はガソリン代、宿泊費、食費など物価の高騰、所得も増え人件費も上がり、また超円安ということで訓練費用は高騰しています。
それでも日本で免許を取得する費用に比べれば安価です。
また当然ですがアメリカで免許取得する場合、日常会話にストレスを感じない程度の英会話力が必要です。
英語があまり得意ではないという方は3ヶ月以上、半年、場合によっては1年以上かかることもあります。
尚、アメリカでパイロットライセンスを取得するにはVISA(M-1)の取得をしなければなりません。このM-1 VISAはアメリカの訓練所がFAA(アメリカ連邦航空局)指定の訓練所でなければ取得する事が出来ません。
観光VISAなどで入国しパイロットライセンス取得の訓練をすると不法入国となりますので注意が必要です。
短期集中訓練のインドネシアで飛行機の免許を取得
訓練期間は4週間~(分割渡航可)
日本から7時間で行くことができ、日本との時差も2時間なので渡航先としては利便性が高いです。
インドネシアの訓練はジャカルタ郊外の小型機専用空港にて行います。
言語はインドネシア語ですが、訓練は英語で行われます。母国語が英語ではないため日本人が話す英語のように訛りがありますが、
その分相手の話をよく聞こうとする感じで接するので、コミュニケーションは楽かも知れません。
訓練はマンツーマンで行われ、天気が悪い日以外は毎日訓練できるので短期間で免許の取得が可能となります。
インドネシアは親日で教官やスタッフもとてもフレンドリーです。また滞在先の近くにはショッピングモールがあり、丸亀うどん、吉野屋、元気寿司などの日本食レストランやファミリーマートやローソンなどもあり慣れない食事で困ることはありません。
現地の物価はそれ程高くはなくコンビニで買うおにぎりやお茶など日本で購入する値段と殆ど同じです。
ヨーロッパコースでEASA免許を取る
訓練期間は2ヶ月~
訓練は航空が盛んなスロベニアで行います。免許取得には航空英語能力証明(ICAO LEVEL4)が必要ですが、ヨーロッパの統一免許が取れるのが最大の魅力です。学科試験は9科目あり、また自家用免許取得後に夜間飛行の資格を取る必要があります。
滞在ホテルは温泉付きということもあり訓練の疲れを癒やせることと思います。
日本からスロベニアへは直行便がないためイスタンブールやミュンヘンなどを経由します。
トランプ元米国大統領夫人のメラニアさんはスロベニア出身です。
世界最大の旅客機を製造したウクライナで飛行機免許を取る
訓練期間は4週間~(分割渡航可)
※ ロシアの侵攻により現在訓練を休止してます。
訓練はウクライナ第2の都市、ハルキウで行います。ハルキウ空港は国際空港ですが便数が少ないため時間帯によっては独占的にタッチアンドゴーの訓練ができます。
訓練場所周辺は平野が広がり天候が安定しており、ハルキウの降水量は東京の3分の1という少なさのため飛行訓練にはとても恵まれた環境となっています。
飛行、座学とも訓練は英語で行われますが、街中での日常会話はウクライナ語やロシア語が飛び交っているため日本語の通訳が現地での生活のサポートをします。
ウクライナは超が付くほどの親日国家で、教官やスタッフはもちろん滞在中に接する多くの人がとてもよくしてくれ、免許を取得した後も次は旅行でウクライナに行きたいという人が多いです。
滞在はホテルになりますが、安価なところで 2,500円/泊 程度からあります。
日本との時差は7時間で、スロベニア同様ウクライナへの直行便がないためイスタンブールやドーハなどで乗り換えます。
渡航時間が短い中国で飛行機免許を取る
滞在期間は3週間~(2分割渡航~)
中国航空留学の歴史は意外に古く30年以上も前から続いています。
短期間での集中訓練になりますが、学科試験などの予定に合わせた渡航計画が必要になります。
他の国同様、訓練は英語で行われますが日常会話は中国語になりますので通訳が生活面のサポートをしてくれます。
尚、外国人の場合、実地試験受験時に航空俚語能力証明LEVEL4の提示が必要です。
中国での飛行訓練は当初、古い初教六という軍用機の払い下げを使用していました。その頃の訓練費は安価でしたが、その機体での訓練が認められなくなりセスナ172等の新しい機体が使われるようになったことと中国人富裕層が増えたことにより訓練費が高騰しました。
今は他のどの国よりも訓練費用が高くなっています。
日本から4時間で行けるフィリピンで飛行機の免許を取る
訓練期間は2ヶ月~
フィリピンは日本から4時間程度で行けます。日本との時差も僅か1時間ですので時差ボケの心配もいりません。
飛行、座学ともに訓練は英語で行われます。一定レベル以上の英語力が無ければ訓練期間は長くなります。
物価はそれ程高くありませんが、訓練費については以前に比べると高くなっています。
気になるセスナ(軽飛行機)免許の取得費用は?
セスナ(軽飛行機)のライセンスを取るのにどの位の費用がかかるのか、あまり知られていませんが、国内で取得する場合と海外で取る場合とでは期間も費用も随分と異なります。
また国内と海外というように単純に分かれるものでもありません。国内でも北は北海道、南は沖縄までエリアの問題もありますし、航空会社か飛行クラブ或いは個人指導で練習するのか、また訓練機材は何にするかなどにより期間や掛かる費用が大きく変わります。
海外でも航空留学に老舗のアメリカ(本土、ハワイ、グアム)、カナダ、東南アジア、EU、オセアニアなど訓練する国により期間や費用は大きく異なります。
日本でセスナ(軽飛行機)のライセンス取得を目指す
日本国内でライセンスを取得する場合に必要な費用は、訓練するエリアで異なります。北海道から九州まで全国の飛行場で訓練できますが(羽田空港や伊丹空港などの大きな国際空港などは除きます)、関東平野など地点の判読が難しい場所ではどうしても訓練時間が長くなってしまいます。地形のわかりやすい場所では幾分訓練時間は短くなります。
単純に車と比較できませんが、都会で免許を取るのと合宿免許で田舎に行く場合の違いのようなものだと思って下さい。
また、航空機使用事業会社でライセンスを取得する場合と飛行クラブや個人指導などでパイロットライセンスを取得する場合とでは、かかる経費も大きく異なります。
航空機使用事業会社の訓練所で免許取得
航空機使用事業会社の場合、訓練はセスナC172という機材を使用しますが、この機体での1時間あたりの訓練単価は75,000円程度です(会社により変動あり)。
訓練エリアによって、或いは個人の能力などによっても訓練時間は変わりますが、試験を受けられるようになるまでは80時間以上は必要と言われています。100時間程度の訓練時間は普通ですので、飛行訓練だけで800万円弱になる計算になります。
飛行クラブなどで免許を取る
大学の航空部などのように非営利の飛行クラブで飛行機の免許を取得することもできる。その場合も練習するエリアや個人の能力などにより影響を受けますが、1時間あたりの経費は大凡5万円程度です。100時間飛べば500万円ということになります。
非営利の飛行クラブは航空機使用事業会社とは異なり、事業で行っているわけではない為、不便な点もある。ライセンス取得にかかる経費が安いとは言え、機体や教官の数は当然少なく、また教官を含むクラブ員は皆ボランティアで活動しているので、希望する日に飛べないなどという可能性もある。
海外でセスナ(軽飛行機)のライセンス取得を目指す
前述しました国で飛行機免許を取得する場合の費用などについて以下ご紹介します。
アメリカでの訓練は天候が安定した南カリフォルニアが結構メジャーですが、西海岸でもサンフランシスコや内陸のアリゾナやネバダ、その他東海岸のフロリダで訓練する人もいます。
アメリカの航空留学の歴史は古く、特にバブルの頃は訓練期間は1ヶ月程度、$1=80円と超円高もあり訓練費は100万円強という時代もありました。その頃は英語力もそれ程要求されなかったこともあり多くの人がアメリカで免許を取っていました。
現在はどうかというとラーメン一杯2,000円もする物価高に超円安も加わり訓練費は350万円を超えています。とは言え、日本でライセンスを取得するより安価です。
訓練する空港などにより訓練期間や飛行時間左右されますが、訓練がスムースに進んだ場合、期間は2ヶ月程度、費用は約390万円($1=¥145)程度です。
英語は日常会話にストレスを感じない程度のレベルは必要です。英会話が上手くできない場合は滞在期間が3ヶ月~半年などと
どんどん延びていくこともあります。
アメリカでの訓練は英語力や技量など個人の能力により飛行時間や滞在期間が変わる為、結果として当初の見積金額と大きく異なる可能性もあります。
ウクライナにおける訓練期間は4週間~。短期での訓練ができ渡航も複数回に分けることができます。
訓練は英語で行われますが、非英語圏の人が話す英語は英語になれていない人にとっては聞き取り易く、それ程苦にはなりません。
また訓練以外の日常会話はウクライナ語やロシア語が話されていますので、滞在中は日本語の通訳がサポートし現地滞在中の言葉の心配はありません。
訓練は原則マンツーマンで行われますので渡航のスケジュールはある程度調整可能です。多忙なビジネスマンには訓練しやすい環境となっています。
軽飛行機ライセンス取得にかかる経費は、約473万円($1=¥145 )となっています。滞在はホテルで、朝食付 約3,500円/泊~あります。
ウクライナはギャランティーコースが設定されていますので追加訓練費が発生しないのが大きな魅力です。
※ ロシアによる侵攻のため現在訓練を休止しています。
インドネシアの訓練もマンツーマンで行われているので渡航のスケジュールをある程度調整できます。休みが取れにくい忙しいビジネスマンには訓練しやすい環境となっています。
訓練期間は4週間~で基本的には2回に分けて渡航しますが、1回の渡航でも取得できます。逆に3回や4回に分けての訓練も可能です。
訓練のベースはジャカルタ郊外で、ジャカルタとは時差が2時間しかなく、また日本から7時間で行けるためアメリカやヨーロッパと比し移動時間が少ないのが魅力です。
訓練は英語で行われますがウクライナ同様、非英語圏の人が話す英語は英語になれていない人にとっては聞き取り易く、苦にはなりません。
現地の言語はインドネシア語が話されていますので、滞在中は日本語が通じるコーディネーターが日常の生活面のサポートもします。
自家用飛行機の取得費用は、420万円($1=¥140)、ウクライナと同じくギャランティコースなので追加訓練費は発生しません。当初の見積金額の範囲で免許が取れるため安心です。
お休みがあまり取れない方や英語が流暢に話せないという方はウクライナやインドネシアでの訓練が利用されています。
※ ウクライナコースは現在戦時下のため訓練を中断しております。
中国での訓練期間は短く最短3週間~です。原則2回以上に分割して渡航します。
他の国でのライセンス取得に比べると訓練期間は一番短いですが、費用は一番高いです。
また、外国人は数年前から実地試験を受験する際に航空英語能力証明(ICAO LEVEL4)の提示が必要となりました。
学科試験は月に1度開催されていますが、それに合わせて渡航しなければなりません。
訓練機材はセスナC172を使用しています。コース費用は、約528万円(ホテル代、朝食・昼食が含まれています)。
ヨーロッパでの訓練はスロベニアです。イタリアの対岸、クロアチアの隣に位置してます。国土は狭いですが航空については非常に盛んです。
ヨーロッパ統一免許(EASA免許)が取得できるのが魅力です。訓練期間は2ヶ月~で英語で訓練が行われます。
学科試験が9科目あるのと、免許取得後に更に夜間飛行の限定資格を取らなければなりません。
自家用操縦士飛行機単発免許の訓練費はほぼアメリカと同じですが、日本からの距離が遠いため訓練環境があまり変わらないアメリカを選ぶ人が多いです。
フィリピンでは数年前からアメリカで求められている以上の英語力が要求されるようになりました。そのため訓練期間は連続して渡航した場合、2ヶ月以上になることがあります。
また、以前に比べ訓練費が高騰したこととや、当初の見積の時間を超えて追加訓練費が発生する事もあるため最近はフィリピンで訓練される方が多くありません。
※ 上記の免許取得費用には、渡航費や滞在費などは含まれておりませんのでご留意下さい。
尚、海外での訓練はICAO加盟国で取得したライセンスであれば日本の免許へ切替できますが、各国で航空法が異なりますので訓練方法には注意が必要です。