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近年の高級腕時計市場の活性化に伴い、注目度が増してきているロレックスのヴィンテージ・セミヴィンテージモデル。というのも、一本目に年式の新しい現行寄りのモデルを手にしてから高級腕時計へとハマり、徐々にヴィンテージ・セミヴィンテージモデルに興味を持たれる方が増えてきているのです。
そこで今回は、ロレックスのヴィンテージ・セミヴィンテージモデルの購入時に見るべき9つのポイントをご紹介していきたいと思います。
現行寄りの比較的新しいモデルであれば、製造技術の発展と共に個体毎の差はほぼ見られませんが、ヴィンテージ・セミヴィンテージ等の古くに製造されたモデルは、個体毎に大きな違いが見られ、更には経年による破損等で新しいパーツへと変更されている個体がほとんどです。そして、それらの状態如何で評価は大きく変わり、知見が無ければ適正な価格かどうか見抜くことも出来ず、納得した買い物はほぼ不可能と言えます。
本記事では、ヴィンテージ・セミヴィンテージモデルにあまり詳しくない方でも、「ここを抑えておけば大丈夫!」といったポイントを9つに絞り、ご紹介していきたいと思います。ロレックスのヴィンテージ・セミヴィンテージモデルの購入を検討している方は必読な内容になっていますので、ぜひ最後までご覧になっていただき、いつでも振り返れるように保存しておくことをオススメいたします。
購入時に見るべき9つのポイント
①ダイヤル
ポイント
傷の状態 : ダイヤルに傷が無いか、キレイな状態か
変化の具合 : 経年による変化がどのような状態か
時計の顔とも言えるダイヤルは、古い時計であれば傷が付いていたり、変色していたりと、本来の状態から変化していることがほとんどです。傷の場所や大きさ、変化の具合など、どのような状態になっているのかしっかりと確認しましょう。
ただし、綺麗な状態ではないからと言って全てが悪い訳ではなく、一部のモデルや個体に関しては、経年変化の入り方によって評価が上がるモノもございます。これらのポイントは全てを把握することが非常に難しく、精通した鑑定士でないと判断が難しいです。購入される前に”必ず”知見のある鑑定士・スタッフに確認しましょう。
※あくまで一例にはなりますが、評価を得ている”経年変化”について抜粋してご紹介いたします。
スパイダーダイヤル
トロピカルダイヤル
パトリッツィダイヤル
デイトナ「Ref.16520」のインダイヤルがブラウンに変色したダイヤル
②インデックス・針の夜光
ポイント
夜光塗料の種類 : 年代によって夜光塗料の種類が異なるため、製造年と一致しているか
夜光の状態 : 経年による夜光の欠けや夜光の塗り直しをしていないか
夜光塗料については下記の年代で使用されている塗料が異なります。
トリチウム :~1998年頃
ルミノバ (※1) :~2008年頃
クロマライト :~2023年現在
※1.モデルによって年代は異なりますが、代表的なモノを記載しています。
メーカーでオーバーホール等をした際に、トリチウム夜光の針が後年のモノに交換されてしまうことがよくあります。上記の年代を参考に個体の製造年度と夜光塗料の種類が一致しているのか確認しましょう。また、販売当初のままを保ったオリジナルの個体に見えても、夜光が塗り直しされていることもあります。簡単には見分けがつきませんので、購入前に販売店へ必ず確認することをおすすめいたします。
③ケース
ポイント
傷の状態 : 打痕、スレ傷等がどのくらいあるか
ポリッシュ(磨き)の程度 : ポリッシュ(磨き)がどの程度されているか
傷の状態に関しては誰しもが確認するかと思いますが、それに追加して時計にポリッシュ(磨き)がどの程度かけられているかも確認しておきましょう。ポリッシュ(磨き)がかけられていない、販売当初のオリジナルの状態の方が評価は高くなります。お店によっては、仕入れた段階で全ての商品にポリッシュが掛けられ、キレイな状態で販売されていることもあります。キレイならば何でも良いという訳ではございませんので、ご注意ください。
④ベゼル
ポイント
傷の状態 : 打痕、スレ傷等がどの程度あるか
ポリッシュ(磨き)の程度 : ポリッシュ(磨き)がどの程度されているか
ケースと同様に、傷の状態とポリッシュ(磨き)の程度を確認しておきましょう。また、モデルによっては個体の製造年度とベゼルの年代との整合性も重要になってきます。こちらも購入前にしっかり販売店へ確認しましょう。
⑤風防
ポイント
傷の状態 : 欠けや傷等がどの程度あるのか
整合性 : 年代ごとに、風防の種類や仕様が異なるので要確認
風防の欠けについては、実際に外周を指でなぞっていただき、引っかかりが無いか確認してください。【ロレックス】の風防に関しては、偽造防止のため2000年代以降に風防へ王冠透かしが入ります。(モデルによって年代は異なります)1990年代より前に製造されている個体に王冠透かしが入っている場合は、交換されているということが判ります。
⑥ブレス
ポイント
傷の状態 : 打痕、スレ傷等がどの程度あるか
ヨレ具合 : ブレスレットのヨレがどの程度なのか
時計を平行にして持つと、ブレスレットがどの程度ヨレているのかが判ります。使用頻度が高いと、ブレスレットのコマが伸びてしまうため垂れ下がり、直線に近ければ近い程、良い個体として評価されます。
⑦バックル
ポイント
年代が合っているか : クラスプコードが年代と一致しているか
バックルにはクラスプコードと呼ばれるコード(英数字)が刻印されています。このコードから製造された年代が判るため、整合性が合っているのかしっかり確認しておきましょう。ちなみに、このポイントについてハッキリと答えられないようなお店があるとしたら、購入を控えた方が良いかもしれません。
⑧シリアルナンバー
ポイント
シリアル(個体識別番号)の一致 : 保証書とシリアル(個体識別番号)が一致しているか
当たり前のことですが、個体に刻印されたシリアル(個体識別番号)と保証書に印字されているシリアル(個体識別番号)が一致しているかを確認しておきましょう。基本的に一致していないことなどはございませんので、もしそんな個体を見つけた場合は購入を控えた方が無難です。(※【ロレックス】のミスなどにより、稀に一致していないこともございます。)
⑨付属品
ポイント
付属品の有無 : 付属品が揃っているか
付属品の優先順位 : 付属品の中で、何が特に重要なのかを認識しておく
時計の評価で重要な付属品。どの付属品があるかで評価が変わってきます。
付属品の優先順位に関しては下記の通り。
1.保証書
2.箱、該当モデルの冊子、個体番号を識別できるタグ、メーカーOH証明書など
3.通常冊子、タグ、その他
最も重要なものは保証書であり、これが付属しているかどうかで数万円~数百万円の価値が変わります。なお、ヴィンテージモデルに関しては保証書が無い個体の方が圧倒的に多いので、仮に保証書が付属している場合は希少個体であると言えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
こちらはあくまで購入時に見るべきポイントであり、「状態が悪い」「整合性が一致していない」「付属品が無い」としても購入するに値しない時計ということは一切ございません。重要なのは、その状態に見合った”価格設定(評価)”になっているかということ。しかしながら、ご自身で全てを判断することは極めて困難になりますので、まずは購入予定の店舗で9つのポイントについて質問をしてみてください。しっかりと答えられるお店は信用出来ますし、逆に答えられなかった場合は一度踏みとどまった方が良いかもしれません。
当店ホームページでは、本記事で挙げた9つのポイントについて細かく記載しておりますので、ぜひ一度ご覧になってみてください!