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原口孝志プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

「CBD入りの健康食品は、海外でどのように規制されているか」について

原口孝志

原口孝志

※CBD 部主催、CBD アドベントカレンダー企画参加中により、本記事は CBD アドベントカレンダー2024 (CBDアドベントカレンダー2024 (cbdbu.jp)との連携記事となります。
今年は「CBD入りの健康食品は、海外でどのように規制されているか」について一般社団法人日本ヘンプ協会より配信された会員向けニュースメールをもとに、許可を得て掲載します。


株式会社CANLIFEは一般社団法人日本ヘンプ協会(JIHA)と、一般社団法人日本カンナビジオール協会の会員になっている。
私個人(株式会社CANLIFE 代表取締役 原口孝志)は一般社団法人日本ヘンプ協会(JIHA)で参与を務めさせていただいている。(以下JIHA)
先日JIHA会員向けニュースメールで「CBD入りの健康食品は、海外でどのように規制されているか」という大 変興味深いニュースが届いた(2024年4月15日配信)
CBD を扱う企業として、FDAならびにアメリカにおける州ごとの規制、またEUなど、各国の規制は当然理解 しておかなければならない。
今更だと思うが、海外でCBD入りの健康食品は厳しく規制されている。
今回、JIHAよりニュースメールをそのまま転載させていただく許可を得た。
参入を考えている企業、また既に参入している企業など、それぞれの企業の参考になれば幸甚である。

尚、2021年6月に設立された超党派による「カンナビジオールの活用を考える議員連盟」により、時間をかけてCBDに関する 安全性と有効性に関して国会議員、民間団体、厚労省幹部の三者が科学的な根拠に基づいてオープンに対話できた事で、我が国では行政側が一方的に厳しい規制を設けることはしなかった。
一事業者としては大変有難いことである。この場を借りて感謝を申し上げる。

ただ残念なことに我々事業者側の意識の低さは否めない。
「CBD=大麻=違法成分」と一部のマスコミによる情報操作もあるが、このような誤解を生むには事業者側によ るコンプライアンスの欠如が関係しているのではないだろうか?
2 月に発表された超党派議連とCBD事業者4団体による共同声明は「危険ドラッグ成分を取り扱わない」「法 令遵守」とあるが、共同声明を出すまでもなく企業なら当然のこと、当たり前のことなのである。
どの企業にも云えることだと思うが事業計画を立てる際、今後の業界の流れをくみ取り計画を立てていく。
今だけ良ければという考えならば、遅かれ早かれ淘汰は必然、倒産、もしくは廃業である。
我々は様々なルール、規制の中で事業を行っている。
今一度、規制とは何か、何のためにあるのか、熟慮したうえで企業としての発展を望みたい。

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今回のメールニュースは、「CBD入りの健康食品は、海外でどのように規制されているか」についてお送りいたします。どこの国でも共通なのは、THCを0.3%以上含む大麻草(マリファナ)から採取されたCBDは違法であり、THCを0.3%未満含む大麻(ヘンプ)から採取されたCBDのみが食品やサプリメントとして使用可能である(または、使用可能となるように徐々に規制緩和中)ということです。

■アメリカでのCBD規制
アメリカでは、2018年6月に大麻草由来のカンナビジオール(CBD)を有効成分とする医薬品「エピディオレックス」を米食品医薬品局(FDA)が認可して以来、FDAはCBDを含有する食品やサプリメントの販売を規制してきました。さらに、アメリカではGRAS(Generally Recoinized as Safe:一般に安全とみなされる) 原料しか食品に使用することはできませんが、2019年以降、FDAは繰り返し「CBDはGRASとして認められないため、食品やサプリメントとしての販売は違法である。」という声明を出し、多くのCBD販売企業に対して警告文を出してきました。CBDを食品に入れて販売するための残された方法は、NDI(New Dietary Ingredient:新規ダイエタリー原料) としてFDAに安全性の申請をし、 ダイエタリーサプリメントとして販売することですが、 そのような申請もFDAは却下してきました。このようなCBDの位置付けに関する連邦法については、FDAの以下のサイトをご覧ください。

https://www.fda.gov/news-events/public-health-focus/fda-regulation-cannabis-and-cannabis-derived-products-including-cannabidiol-cbd

一方、アメリカの場合、州間の取引は連邦法が優先されますが、州内のCBD販売が条件付きで認可されている州も存在します。例えば、
●カリフォルニア州:
https://www.criminallawyersandiego.com/cbd-law-in-california-ab-45-permits-sale-of-hemp-derived-products/

2021年10月に法律に署名されたカリフォルニア州議会法案第45号(AB-45)によって、それまでのCBD販売禁止が解除されました。ただし、ライセンスを有する業者のみが、CBD製品を21歳以上の消費者に販売できることになっています。また、産業用大麻が医療機器、処方薬、タバコまたはニコチン製品、アルコール飲料に使用または組み込むことを依然として禁止しています。さらには、吸入可能なvapeタイプの CBD製品は、他州で販売するために製造はできますが、カリフォルニア州内で販売することはできません。

CBDを含む食品やサプリメントの販売について、FDAはこれまで厳しい判断を下してきました。これに対して、ヘンプ栽培者やCBD販売者の意向を汲んでCBDの食品・サプリメントとしての販売を容認する連邦議員グループも存在し、FDAと連邦議会の間で対立的な議論に発展していました。その結果として、2023年1月にFDAは以下のような声明を発しました。

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-concludes-existing-regulatory-frameworks-foods-and-supplements-are-not-appropriate-cannabidiol

つまり、成長するカンナビジオール(CBD)製品市場を考慮して、CBD製品の潜在的な規制経路を探るために、FDAが高レベルの内部ワーキンググループを招集し、CBD製品へのアクセスに対する個人の欲求とリスク管理に必要な規制監督のバランスをとるために、CBDの新しい規制経路が必要であると発表したのです。これによって、CBDを食品あるいはサプリメントとして販売できる可能性が見えてきました。

その後、2024年1月になって、FDAは以下のような声明を発しました。

https://www.fda.gov/food/generally-recognized-safe-gras/post-market-determinations-use-substance-not-gras

つまり、現状でCBDは食品あるいは食品添加物として認可されていないが、今後はこの物質の規制状況を見直し、物質の意図された使用がGRASであると結論付ける根拠があるかどうかをFDAの科学者が「市販後調査」において分析するということになりました。これは、FDA側が譲歩したものであり、CBDサプリメント業界にとって非常に大きな決定と言えます。理屈として、「市販後調査をするためには市販を許さなければならない」からです。ですので、FDAより市販後調査容認の判断を受けて、今後、CBDの医薬品以外での販売を禁止していた州においても、CBD規制は緩和されるものと考えられます。


■イギリスでのCBD規制
イギリスでは、英国食品基準庁(FSA)のCBDに対する見解はアメリカほど厳しいものではなく、より現実的な立場をとっています。つまり、食品中のカンナビジオールの1日摂取量に関する基準を設けているのです。2023年10月より使用されているのが、以下のガイドラインです。

https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06150620160

これは、健康な成人に対して食品からのCBD摂取を10 mg/日以下に設定するというものです。市場で入手可能な製品の中には1回の摂取量(per serving)で10 mg/日を超えるCBDを含んでいるものもあるため、消費者は表示を確認し、この更新された勧告を考慮して各自一日の摂取量を検討すること、としています。また、子どもや他の薬を服用している人(且つ、医療専門家に相談していない人)、妊娠・授乳中の人、妊娠を希望している人など、特定の集団にはCBDを摂取しないよう勧告しています。

そして、CBD食品として販売して良い製品のリストを公開しています。

https://data.food.gov.uk/cbd-products/products-list


■ヨーロッパ(EU)でのCBD規制

欧州連合(EU)においては、行政庁である欧州食品安全機関(EFSA)と民間企業の代表である欧州産業用ヘンプ協会(European Industrial Hemp Association: EIHA)との間でCBDの食品としての位置付けに関して議論を重ねてきています。

EFSAの科学者は、CBDの摂取に関連する潜在的ハザードについてのデータ・ギャップと不確実性のために、現時点では新食品としてCBDの安全性を確立することができないとしてきました。特に、妊婦、新生児、授乳婦はCBDを身体に取り入れるべきではないとしています。

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7322

これ対して、EIHAはEU全域での統一的な政策を求めて、2021年2月にポジションペーパー(https://eiha.org/wp-content/uploads/2021/02/PPFFSCBD01022021-1.pdf)を発表し、カンナビノイドの濃度に応じて事前にCBDの市場承認を必要としない伝統的(一般的)な食品、新規食品(アイソレートと濃縮抽出物)、薬品の3つのカテゴリーに分けて規制することを提唱しました。その概要を以下にお示しします。

• 低CBD濃度(平均的な成人の摂取量1〜10mg/日)は、制限なく食品に許可されるべきである。
• 低〜中程度のCBD濃度と平均的な成人の経口10〜70mg/日の推奨摂取量を持つ製品は、小売、ドラッグストア、薬局で栄養補助食品として入手可能とするべきである。これは、純粋なCBDアイソレートを含む製品や低CBD濃度の抽出物を含み、推奨用量を適切にパッケージに記載している製品にのみ適用されます。
• 高用量(175mg/day以上)では、CBD含有製品は医薬品とみなされ、そのように規制されるべきである。

今後、EFSAとEIHAが議論を重ねることで、欧州連合におけるCBDの食品・サプリメント利用に関するコンセンサスが形成されるものと思われます。

●まとめ
このように、欧米ではCBDの食品としての安全性に関する情報が不足しているとして、もともとCBDに対する厳しい規制が存在していました。しかしながら、産業界からの大きな要請もあり、また日常生活でのCBD使用経験が広まってきた結果、厳しい規制が徐々に緩和されてきている状況にあると言えます。

#CBDアドベント

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原口孝志
専門家

原口孝志(CBD製品開発コンサルタント)

株式会社CANLIFE

大麻草由来の次世代成分、CBDに精通し、大学研究機関との共同開発により、全国で先駆けて水溶化に成功。自社製品の開発・販売経験をもとに、CBD製品づくりをサポートし、企業価値を高めます。

原口孝志プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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