【新規事業の計画書はテンプレを使え】注意点や承認の出やすい話し方も解説①
新規事業を始めるとき、まず取り組まなければならないのが企画書です。
きちんとゴールが思い描ける企画書さえ作ることができれば、大きな失敗を回避することもでき、着実に成果を出していけるでしょう。
そこで今回は新規事業の企画書を作る際に入れるべき項目や、おすすめの企画書テンプレートを紹介します。また、せっかく作った企画書の承認を得るためのプレゼン方法まで解説しているので、ぜひ参考にしてください。
新規事業の企画書を作る際に入れたい項目
まずは新規事業の企画書の内容に盛り込むべき項目について解説していきます。
重要なのは以下5つの内容です。
・この事業を企画した目的、達成する目標
・この事業からもたらされる利益
・事業を行っていく上で出てくる障害
・どういったチームで取り組むのか
・今後取り組む順番や資金調達面
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
この事業を企画した目的、達成する目標
まず、新規事業を企画した目的と達成するべき目標を明確にしましょう。
どんな事業でも、その企画を考えた背景・理由が必ずあるはずです。市場の変化や自社の課題、企業全体の今後の大きな展望など、企画に取り組む理由を記載する必要があります。
企画書の役目は、新規事業をプロジェクトとして進めていくための青写真だけではありません。意思決定者を納得させ、新規事業の承認を下す役割も担っているのです。
そのためには「なぜ当社が行うのか」という部分を掘り下げ、自社にしかできない事業だと思わせる必要があります。また新規事業を通して達成すべき目標を社内で共有することで、意見のすれちがいを避け、効率よく業務を行えます。
この事業からもたらされる利益
新規事業を通して、会社にもたらされる利益も記載しておきましょう。
実際にこの新規事業で勝てるのか、アイデアだけではないのか、という部分は必ず意思決定者が質問してくる事項です。
その質問にどれだけ的確にスピーディーに答えられるかで、新規事業企画書の質は変わってきます。もちろん「やってみなくてはわからない」部分は大きいと思いますが、小さなステップごとに区切りをつけ、各段階での利益を出すのも有効です。
最終的な大きな利益よりも、段階ごとの小さな利益であれば想像がしやすいですし、意思決定者を納得させることもできるでしょう。
事業を行っていく上で出てくる障害
新規事業を行う上でもたらされる利益と同じく、事業を遂行する上で出てくる障害も記載しておきましょう。
競合他社の製品レベル、予算面での危険、社内リソースの問題など。予めリスクを予測しておき解決策を練っておくことで、実際に障害が出てきた際に素早く対処できます。
また企画書にリスクを記入することで、意思決定者の信頼を得ることもできます。
どういったチームで取り組むのか
最近では企画書レベルでのチームビルディングの重要性が高まっています。
新規事業を行う際に、社内のリソースだけで足りているのか、外部から集める場合どこから集めるのかなど。
またいくつのグループに分け、どの業務をどのグループにさせるかも大事になってきます。
また仕事を行うメンバーだけでなく、例えば自治体や病院との協業、他社とのタイアップなど最終的に関わってくるメンバーの情報も必要です。
今後取り組む順番や資金調達面
実際にGOサインが出たあと取り組むべき順番や、スケジュール、資金調達などの方法も盛り込んでおきましょう。
スケジュールを先に決めておくことでスピーディーに取り組むことができ、ずれが生じた際にも立て直しが早くなります。
また資金調達に関しても先に決めておけば、業務に支障を出すことなく取り組めるでしょう。
企画書作りは難しい!テンプレートを使ってわかりやすくまとめよ
では、実際に企画書を作る際に参考にできるテンプレートを見ていきましょう。
主なテンプレートの構成は以下です。
・タイトル
・概要
・目標・ゴール
・アプローチ方法
・スケジュールとリスク
・収支予算
ひとつずつ確認していきましょう。
【企画書のタイトル】
意外にも大事なのが企画書のタイトルです。重要なのは中身だからといって「企画書」などと書かないようにしましょう。
もちろん長すぎる物語のようなタイトルも良くないので、簡潔でありつつも、タイトルからも事業の内容が容易に推測できるよう工夫しましょう。
例えば下記のようなもの。
・これまでにない驚きを。次世代コップの魅力とは
・世の中の主婦待望!ボタン1つで洗剤入れから乾燥まで行う洗濯機
・【たった3分】食事を減らさずに痩せられるダイエット方法
キャッチーなタイトルを付けることで、プレゼンしたあとも脳内に残りやすく、承認を得やすくなります。
【概要】
なぜ今回の事業を企画したのか、この企画によってどんな課題が解決されるのかを記載します。
現段階で顧客が抱えている悩み・ニーズや、自社が抱えている課題を明記した後に、なぜこの事業でそれが解決されるのかを答えます。
また、ここで事業内容も記載し、なぜ自社で行えば成功するのか、他社との差別化として何が行えるのかを明確にしましょう。
自社の優位性だけでなく、自社の理念にのっとっているかも意思決定者は見ています。
【目標・ゴール】
新規事業で達成したい目標とゴールも記載しておきましょう。
抽象的な「社会をより良くしたい」といったものではなく、具体的に数値で落とし込めるとよりいい企画書になると思います。
また理想的な目標だけでなく、「どれほどの成果を出せば今回の事業は成功とみなすのか」といったゴールも立てておくと、客観的に判断しやすく、事業が終わった際に評価されやすくなります。
【アプローチ方法】
実際に事業が動き出したあと、どういったアプローチで商品を作っていくか、サービスをリリースしていくかを記載しましょう。
これは一度計画して終わりではなく、事業を実行したあとも試行錯誤を繰り返し、より効率的な方法はないか確かめていく必要があります。
【スケジュールとリスク】
実際に事業を進めていく際のスケジュールと、各段階での課題などを記載しましょう。
「新規事業の企画書を作る際に必要な項目」でも解説しましたが、新規事業を進めていくスケジュールは、スムーズに事業に移るために必要です。
また「資金調達の段階」「認知を広げる段階」「実際に消費者に届く段階」など、各段階での課題も併せて記載しておきましょう。
例えば商品が消費者に届く時に、「流通チャネルはどうするのか」「自社でECサイトを運営するリソースはあるのか」など。
事業を展開する過程で起こりうるリスクと、そのリスクを回避するためのリカバリー案の説明も大切です。
【収支予算】
最後は本事業を進めていく上で必要な予算、実際に得られる利益をまとめましょう。
全体的な予算だけでなく各部署の予算や、各段階で必要になってくる経費もまとめられると見やすくなります。
また金銭面だけでなく、必要な外部リソースなども併せて記入しておくと、改めて必要なものが理解しやすく、良い企画書になるでしょう。
②へつづく