新規事業企画書に記載すべき5項目と良い企画書の作り方②
前回までに
①【営業の本質】営業時に気を付けなければいけないこと
②新規開拓に使える本質的考え方と営業テクニック7選
を解説してきました。
では最後に、新規事業を立ち上げる際に必ず立ちはだかるであろう、「営業課題」についてみていきましょう。
知っておきたい新規事業立ち上げ時の営業課題
営業のノウハウが溜まっていない
まず最も多い営業課題は、「営業のノウハウが溜まっていない」です。
新規で立ち上げた事業なので当たり前ですが、どんなスクリプトで行けばいいのか、どうセールスすればいいのかのデータがありません。そのため、最初は手探りで行わなければならず、成約率も大きく上げることは難しいでしょう。
事業の初期段階での営業活動では、社員全体で情報を共有し、どういったスクリプトで営業をかければいいのか、なるべく早く固めておく必要があります。初めは手間に感じるかもしれませんが、社員個人のスキルに頼っていては、結果に大きな偏りが出てきてしまいます。
全員が一定の成約率を上げられるよう、社内で協力してスクリプトを完成させましょう。
営業に予算が回せない
新規事業ということもあり、色々な部署で予算を回さなくてはいけません。そのため、営業に割く人件費やツールなどに予算を回しづらく、体制が整っていない状態で営業活動を行わなくてはいけません。
営業に関してはどうしても「話すだけ」「電話するだけ」という印象がつきやすく、具体的な予算の使い方まで落とし込めていないのも原因ではあります。
ただ営業に関しても、人員を増やしたり社用車を増やしたり、できることは多いです。営業1人が担当する企業を減らせれば、その分濃密な計画を立ててから商談に臨めます。
結局、営業を行い契約が取れなければ売上は伸びないので、予算の振り分けをもう一度考えてみるものいいでしょう。
狙うべき顧客が明確でない
3つめの営業課題は、「狙うべき顧客が明確でない」です。
新規事業が参入する領域の顧客すべてをリストアップしAから順番に架電をしていく、というのは多くの企業がやりがち。しかしそんなことをしても電話を掛ける企業が増えるだけで、「仕事をしている感」が出るだけです。
そうではなく「営業をかけるジャンル、現状満たせるニーズ、自社に予算を割けそうな資金、抱えている課題の大きさ」など、あらゆる指標で顧客を細分化する必要があります。
優先順位としては必ず「購入意欲の高い顧客」に対して、優先的に時間を割かなければいけません。そのためにはどの企業が有望株なのか、どの企業はあとひと押しなのか、営業部全体で理解しておく必要があります。
もし情報の共有が行き渡っていないと、せっかくの有望株に新人が営業をかけてしまい、売上を伸ばす機会を失ってしまうでしょう。
新規開拓時の営業は数と質の両方を磨こう!
新規事業の新規顧客を開拓する時、営業をかける数も重要ですが、質もきちんと磨かなくてはいけません。
営業の数と質の両方を磨き上げることで、1回1回の営業の成約率が高まり、機会損失を減らすことができます。営業の本質は売り込むのではなく、相手のニーズをただ満たしてあげるだけ。
今回紹介したテクニックとあわせて何度も修正を繰り返しつつ、練習しましょう。