新規事業がどうしても思いつかない時はフレームワークに当てはめて考えよう!②
いざ新規事業を開発しようと思っても、 何からと手を付ければいいのか悩んでしまうことも多いでしょう。
そこで今回は、開発担当者を助けるための「フレームワーク」を1つずつ解説していきます。
市場調査やアイデア出し、サービスの作成時などフェーズごとに使えるフレームワークを紹介するので、今悩んでいる内容に合わせて使いわけてください。
新規事業開発に利用できるフレームワーク紹介
ここからは、実際に新規事業開発に利用できるフレームワークを紹介していきます。
・市場調査におすすめのフレームワーク
・アイデア出しにおすすめのフレームワーク
・サービス作成時におすすめのフレームワーク
・事業の修正・見直し時におすすめのフレームワーク
フェーズごとにフレームワークを紹介しているので、必要なものだけを取捨選択していきましょう。
市場調査におすすめのフレームワーク
まず市場調査におすすめのフレームワークは下記2つです。
・3C分析
・STP分析
一つずつ見ていきましょう。
【3C分析】
まず3C分析(「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」)について。
3C分析を使うことで、顧客がどのようなニーズを持っているのか、現在の競合の状態、自社の強み、その強みで実際に戦っていけるのかが判断できます。
3C分析と一緒によく使われるフレームワークが、4P分析ですが、こちらは「サービス作成時」に利用するものなので、あわせて確認しておきましょう。
【STP分析】
3C分析と同じくらい有名なフレームワークが、「STP分析」になります。
STPは「Segmentation(市場の細分化)」「Targeting(市場の決定)」「Positioning(自社の立ち位置)」の頭文字です。
3C分析が、実際に狙う顧客層全体のニーズを引き出し、競合他社と自社の違いを明確にしたのとは異なり、STP分析はどういったポジションで市場に参入するかを導きます。
「Segmentation」と「Targeting」で市場をニーズごとに細分化し、実際に参入する際に、満たせるであろうニーズを抱えている市場を決めます。最後に自社と他社の製品の違いを分析し、自社の立ち位置を決めていくのです。
アイデア出しにおすすめのフレームワーク
続いて社内でアイデアを出している時におすすめのフレームは下記2つです。
・SCAMPER
・MVV
1つずつ見ていきましょう。
【SCAMPER】
「SCAMPER」は、アイデアをたくさん出さなければいけない時に活躍するフレームワークです。
方法としては以下7つの質問を元に、1つずつ答えていくだけです。
・Substitute(代える)
・Combine(組み合わせる)
・Adapt(適応させる)
・Modify(修正する)
・Put to other uses(他の使い道)
・Eliminate(削減)
・Reverse・Rearrange(逆転・再編成)
難しいと思うので、新規事業としてこれまでにない「コップ」を作り出す場合を想定し、行ってみます。
Substitute(代える) | コップを金で作ってみたら?氷自体でコップを精製するのは? |
Combine(組み合わせる) | コップとマグネットを組み合わせてみて、冷蔵庫に直接付けられるようにしたら? |
Adapt(適応させる) | タンブラーのように保温・保冷とふた付きはどう? |
Modify(修正する) | 形状を大きくしてコンセントを実装してみたら? |
Put to other uses(他の使い道) | コップを使ってストレス発散できないだろうか。 |
Eliminate(削減) | あえて飲まないコップを作ってみる |
Reverse・Rearrange(逆転・再編成) | 飲み口をなくしてみるのはどうだろう。 |
上記の表を見ていただければ分かると思いますが、中にはいい加減なアイデアもたくさんあります。しかし「SCAMPER」はアイデアの量で勝負するフレームワークなので、アイデアの質ではなく、まずは数を出すことを優先してください。
【MVV】
2つ目に紹介するには「MVV」です。
「Mission(ミッション)」「Vision(ビジョン)」「Value(バリュー)」の3つを社内、およびチーム全体で改めて認識し、同じ方向を向いてアイデアを出していくフレームワークです。
ミッションやビジョンなどがあやふやなままだと、アイデアの方向性も定まらず、結果良い商品・サービスはできません。そのため、「自社で達成するべき目標」「目標を達成した結果、どういった会社になれるのか」「そのためにはどう行動するのか」をまとめます。
サービス作成時におすすめのフレームワーク
サービス作成時におすすめのフレームワークは、以下3つです。
・4P分析
・ファイブフォース
・AIDMA
1つずつ見ていきましょう。
【4P分析】
市場調査におすすめのフレームワークで紹介した、「3C」との相性が良い4P分析。「Product(製品)」「Price(販売価格)」「Place(流通経路)」「Promotion(広告)」の頭文字を取っています。
自社製品をどういった価格で打ち出すか、どういった流通経路で販売するか、認知を広めるにはどうするか、などサービス全体の分析に使います。
「Price」については、以下で紹介する「ファイブフォース」を使ってみましょう。
【ファイブフォース】
市場の収益構造を明らかにする、つまり市場全体の価格バランスを分析するならファイブフォースが使えます。
ファイブフォースでは以下5つを対象として分析します。
・業界内での競争
・業界への新規参入者
・代替品の存在
・買い手の交渉力
・売り手の交渉力
「ファイブフォース」単体では商品開発にこぎつけることができませんが、どういった価格戦略を行えば他社より優位に立てるか、が見えてきます。
商品を売り出す際に価格はやはり大事な指標になるので、商品の価格を決めたり商品にかけるコストを決めたりする前に行っておきましょう。
事業の修正・見直し時におすすめのフレームワーク
最後に新規事業を始めたが、どうしても修正しなくてはいけなくなった時に使えるフレームワークです。
・ECRS
・SWOT分析
【ECRS】
「ECRS」は業務改善に使用するフレームワークで、業務のプロセスを分析していきます。以下4つの指標で事業をチェックするだけで、どのポイントに無駄があるのかが一目で分かります。
・Eliminate(排除):減らせる業務はないか
・Combine(結合):業務を一つにまとめられないか
・Rearrange(交換):プロセスの順番、委託先などは変更できないか
・Simplify(簡素化):業務をより簡素化できないか
上記4つのポイントをチェックしつつ、業務を見直してみましょう。
【SWOT分析】
SWOT分析は「ECRS」とは違い、業務内容ではなく自社の環境を分析するのに使います。
「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4つの視点から分析します。
まず「S・W」で自社が他社に勝るもの、劣るものを見つけ出します。そして「O・T」を使い、現在の市場に新たなビジネスチャンスはないか、自社のチャンスをつぶしてくるような脅威はないかを見つけ出しましょう。
SWOT分析は、新規事業立ち上げの際に利用することの多いフレームワークですが、事業の見直しで使うことで、見逃していた自社を脅かす存在に気づけるはずです。
新規事業の開発は難しく考えすぎない!
「新規事業の開発は難しい」と思われがちですが、どういった製品を作ればいいのか、どういったサービスが求められているのかは、市場が教えてくれます。
つまりきちんとフレームワークを用いて分析すれば、悩むことはあれど、顧客のニーズをきちんと満たせる良いアイデアが出てくるはずです。今回紹介したフレームワークはほんの一部で、現在会社が抱えている悩みを解決できるフレームワークは、たくさんあります。
顧客が求めているもの、市場に新たな価値を生み出せないかを考え、素晴らしい新規事業の開発を行ってください。