【新規事業の契約先開拓のコツ】営業方法の本質から小技まで完全解説②
「新規事業の参入領域が見極められない」。そんな悩みを抱えている人は、フレームワークを用いることで、悩みのタネを解消できるでしょう。
誤解を恐れずに言えば、フレームワークとは先人が築き上げてくれた、「当てはめるだけで分析が完了するテンプレ」です。今回は、新規事業の参入領域を見極めることができるフレームワークについて紹介していきます。
新規事業に参入する時に失敗しづらい考え方
参入領域の見極め方や、実際に事業に取り組むプロセスは理解できたと思います。
ここでは実際に新規事業に参入する際に使える、「失敗しづらい考え方」を確認しましょう。
それは「リーンスタートアップ」と言って、最小限のコストで事業を展開していき、市場に及ぼした効果を検証していく方法です。
リーンスタートアップの考え方
「リーンスタートアップ」は、大きく勝負をかけないぶん利益は少ないですが、失敗した際に受ける打撃も小さく、新規事業を始めるにはとても適した方法です。
リーンスタートアップの考えを取り入れることで、いくつかの新規事業を同時並行で進めることができ、どの戦略が一番有効かのデータを取ることもできます。
リーンスタートアップを行う場合、「構築」「計測」「学習」のPDCAサイクルを回していくのが一般的です。
【構築】
参入領域を見極めた後、どういった商品・サービスを作っていくのか、どういったアイデアがあれば顧客のニーズを満たせるのかを考えます。
特に縛りはないですが、「なるべくコンパクトに」「時間もお金もなるべくかけないように」を念頭に起きながら考えます。そしてある程度考えがまとまったら、試作品を作っていきましょう。
【計測】
構築ができたら次は計測に移ります。計測のフェーズでは、実際に試作品を少人数の顧客に提案し、反応を見ます。
実際に提案する前に、どういった反応が出るか、社内であらかじめ想定して洗い出しおきましょう。事前に洗い出した反応と、実際の反応の違いが現場のサービスや経営戦略が抱えている問題点です。
【学習】
最後、計測の結果から学習できること、つまり「この事業は成功するのか」「製品・サービスの改善点」についてまとめます。
もちろん反応がよければ、このまま商品として打ち出せば結果が出る場合もあります。しかし多くの場合、当初に考えていた結果と異なるでしょう。
その場合は、改善すれば結果が出るのか、それとも損切りとして撤退するのか、ここの決断が重要です。
新規事業を行う際に現れる4つの参入障壁と打開策
「フレームワーク」や「リーンスタートアップ」という考えがあり、新規事業の参入領域の知識も深まったと思います。
最後に新規事業を行う際に現れる、4つの参入障壁と、その参入障壁の打開策を紹介しておきます。もしつまずいた時はこの記事に戻り、打開策が使えないか確認しましょう。
製品はきちんと差別化できているか
まず一つ目の参入障壁は、「製品はきちんと差別化できているのか」です。
どれだけ良い製品でも、すでに市場に出回っている製品と似通っていれば、後発組としてはかなり不利です。ただデザインや形を変えるだけでなく、自社の強みを活かした差別化が行えているかどうかも、参入した際に結果が出るかの指標になります。
差別化に関しての打開策としては、「3C-4P分析」などのフレームワークを用いるのがおすすめです。
「3C-4P分析」は自社の立ち位置、市場との差別化、それを製品に落とし込む方法まで分析できます。
今回紹介したフレームワーク以外にも、ビジネスに使えるフレームワークはたくさんあり、状況に応じて使い分ける必要が出てきます。
予算内で行えるのか
どれだけビッグチャンスがあろうとも、予算を大幅に超えてしまう場合は、参入することができません。
リーンスタートアップで成功が見込めたのに予算が足りない、そんな時は資金調達を行いましょう。業績がふるわない企業だと融資を得るのも難しいかもしれませんが、助成金やベンチャーキャピタルなど、方法はいくらでもあります。
顧客のニーズをきちんと満たすことを説明できるなら、クラウドファンディングなどを活用してもいいでしょう。
流通チャネルが整っているか
参入するのが難しい理由として、流通チャネルが整っているかどうかも関係してきます。
例えば「自社でECサイトを運営していない」「実店舗がない」といった場合、どこかに委託して製品を販売しなくてはいけません。流通チャネルの確保が難しいと、それに合わせて参入障壁も高くなっていきます。
地道な作業になりますが、自社製品を持ち店舗側と関係性を築いていくのが正攻法になります。もし難しい場合や、流通チャネルさえも自社で整えたい場合は、ECサイトを運営するのがおすすめです。
今では簡単にECサイトを作ることもできるので、少し腰を据えれば立派なサイトが作れるでしょう。
時流に則っているか
現代の時流に則っているかも大事になります。例えばですが、このコロナ禍の中「クラブを建てる」といった具合に、時代の流れに逆らっている場合は失敗する確率が高くなります。
良いアイデアが生まれたとしても、現代の流れに沿っているかいないかで、結果として大きな損失が生まれてしまうでしょう。
きちんと市場を分析し、いま参入しようとしている領域ではどういった流れが優遇されているのか、見極めることで参入しやすくなります。
新規事業の参入領域は分析して決めよう!
新規事業を成功させるための参入領域は、今回紹介したようなフレームワークを用いてロジカルに分析する必要があります。参入領域ひとつで自社の強みを生かせるか殺すかが決まるので、十分に分析しておきましょう。
また参入障壁の高い市場、例えば「流通が難しい」「予算を超える」などの場合も、解決策は必ずあります。
どの場合も思いつきで行動するのではなく、分析を行い、相対的に自社がどういった動きをすれば利益が出るのかを常に考えましょう。