プロ志望者がほぼ必ずぶつかる「3つの壁」
優れたヴォーカリスト、才能ある作曲家、素晴らしいプレーヤーは、今の時代、本当にたくさんいます。
ネット上を見ているだけでも、その数は年々増えていると感じます。
ただ一方で、
それらの作品が「商業レベルか?」と考えると、そう簡単ではありません。
多くの場合、
曲も演奏もとても良いのに、
音圧が小さすぎる、あるいは無理に稼いだ痕跡が残っているために、
プロの現場で大音量で聴くには耐えないポストプロダクションになっているケースをよく見かけます。
ミキシング・マスタリングが現代の作家にとって重要であることは、以前のコラムでも触れました。
今回は改めて、**なぜそれが「プロを目指す上で致命的に重要なのか」**をお話ししたいと思います。
レーベルのA&Rは、どんな環境でデモを聴いているか

レーベルにデモ音源を送るとき、
「誰が」「どんな環境で」それを聴くのかを考えたことはありますか?
A&Rは日常的に、
高いクオリティの音源を、最高水準のリスニング環境で聴いています。
その中で、
もし自分の楽曲だけが明らかに音圧が低かったらどうでしょう。
意図していなくても、
「迫力がない」「完成度が低い」という印象を与えてしまう可能性があります。
日本のレーベルは「すぐに出せる人」を探している

日本のレーベルは、海外に比べて
即戦力性をかなり重視します。
つまり、
・ミックスが甘い
・マスタリングされていない
・音の完成度が低い
そうした状態のデモよりも、
「このまま市場に出せそうだ」と思える音源のほうが、
圧倒的に評価されやすいのです。
ここでチャンスを逃してしまうのは、本当にもったいないことです。
AIミキシングは「悪」ではないが、現場では見抜かれる
最近はAIによるミキシング・マスタリングも増えてきました。
便利なツールではあります。
ただ、現場では
人の手が入っているかどうかは、かなりの確率で分かります。
それが分かったとき、
「この人は音の仕上げを軽視しているのかな?」
と受け取られてしまうこともあります。
デモ音源は、
音楽性だけでなく、姿勢も伝えるものだからです。
最後に

作曲家の才能、ヴォーカリストの表現力、演奏力は、すべて貴重です。
ですが、それを「仕事として成立させるかどうか」は、
最後の仕上げ=ポストプロダクションにかかっています。
もし今、
・曲には自信があるのに評価されない
・デモを送っても反応がない
・何が足りないか分からない
そんな状態なら、
一度「音の完成度」という視点で見直してみてください。
表現を、きちんと“届く形”にすること。
それが、音楽を仕事に変えるための現実的な第一歩です。



