やさしい日本語とは?企業で起きた3つの変化とその効果
こんにちは。
エルロンのやさしい日本語スペシャリスト
グローバル共創デザイナーの竹丸勇二です。
前回のコラムでは、「やさしい日本語」が
組織のコミュニケーションを変える可能性についてお伝えしました。
今回は、もう一歩踏み込んで、
「人が育つ仕組み」そのものに関わるテーマ、
「教えない日本語授業」についてお話しします。
"教えない"と聞くと、
「放任するの?」
「説明しないで大丈夫?」
と感じる方も多いかもしれません。
しかし、ここでいう「教えない」とは、
教師が何もしないという意味ではありません。
むしろ逆で、
日本語学習者が自ら考え、発話し、気づきを得られるように、
「学びのプロセスを設計すること」を指します。
従来の日本語教育は、
教師が説明し、学習者が理解する
いわば「インプット中心」のスタイルが主流でした。
一方、「教えない日本語授業」では、
日本語学習者同士の対話や活動を通して、
自分で考え、使いながら学んでいきます。
その中で日本語教師は、
「教える人」ではなく、
学びを支える“ファシリテーター”として関わります。
ファシリテーションとは、
その場にいる人たちが目的に向かって進めるように、
環境を整え、流れを支えることです。
例えば──
・日本語学習者が安心して話せる雰囲気をつくる
・考えを引き出す問いかけをする
・活動が自然に進むように設計する
こうした関わりによって、
学びはより深く、そして実践的なものになります。
実はこの考え方は、
企業の人材育成にもそのまま当てはまります。
一方的に教える研修では、
その場では理解したつもりになっても、
実際の現場では使えないことが少なくありません。
一方で、
自ら考え、発言し、試すプロセスを通じて学んだことは、
現場での行動につながりやすくなります。
「教えない日本語授業」は、単なる教育手法ではなく、
「行動変容を生み出す人材育成の考え方」でもあります。
そしてこの考え方は、
日本語教育の現場だけでなく、
企業や社会の中でもこれからますます
求められていくと考えています。
日本語教師は、これまで
「教える専門家」としての役割を担ってきました。
しかしこれからは、
学びを設計し、人の成長を支える存在へと、
その役割が広がっていきます。
「教える」から「育つ仕組みをつくる」へ。
この変化を、全国の日本語教師と共有し、
広げていきたいと考えています。



