Loseil(ロゼイル) Rare Metal Coat
さてこれは何でしょう?
画像に写っているのは「MOSTループバック試験」で使う専用カプラです。
今回の商品紹介ブログといっても、登場するのはこの雄と雌の配線カプラー。
見た目はただのコネクタのようですが、いざという時には確実な診断のために欠かせない必須アイテムなんです(^_^)v
アウディやVW系の車両には「MOST(Media Oriented Systems Transport)」という光ファイバーを使ったデータ通信ネットワークが搭載されています。
ナビ、テレビ、オーディオ、アンプ、電話モジュールなど、いわゆる“MMI”システムの各ユニットが直列に接続され、光信号によって高速でデータをやり取りしています。
この構造上、ひとつのモジュールが通信異常を起こすと光ループが途切れ、システム全体に不具合が波及するという特徴があります( ̄ー ̄)
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今回の症状
先日ご入庫いただいたアウディA6。
突然テレビが映らなくなり、ついにはMMIメニューから「テレビ」という項目そのものが消えてしまいましたΣ(゜Д゜)
まずはMMIのリセットを試しましたが改善せず。
VCDSでフルスキャンを実施したところ、常時「制御ユニット故障」が記録され、消去してもすぐに再発。
さらに「テレビ関連がnot activated」と表示されていたため、設定をactivatedに変更しましたが、ソース一覧にはテレビが表示されず。
この状態で光ファイバー通信エラーが新たに記録されました(+\_+)
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MOSTループバック試験
そこで実施したのが「ループバック試験」。
TVチューナーの光カプラを外し、ループ用の配線でバイパスしました。
するとMMIが安定動作に戻り、オーディオの音声出力も正常化(^^)
この結果から、通信経路を遮断していたのはテレビチューナーであると断定できます。
これは、光ネットワークの直列構造を利用した合理的な切り分け診断手法です。
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診断結果
今回もまさにそのパターンで、原因はテレビチューナーの不良と確定(>_<)
新品部品を調べると、かなりの高額。。。
そこで専門業者さんからリサイクル部品を入手し、交換・セットアップを行ったところ、無事に復活しました(*´∀`*)
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まとめ
MMI関連の不具合では、ソフト的なリセットや設定変更だけでは改善しないケースが多々あります。
MOST診断とループバック試験を組み合わせることで、複雑な通信ネットワークの中から不良モジュールを的確に特定することが可能です。
「テレビが映らない」という一見単純な症状でも、実際にはMMI全体の通信障害へ発展するケースがあるのが光ループ構造の特徴です。
早めの点検が、後々の高額修理リスクを避ける第一歩になります(^_-)-☆
輸入車の電装トラブルでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
(代表:遠藤)
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