【日本理化学工業(株)大山社長】講演会
前回のコラムでは「社員が定着しない理由」について取り上げましたが、
後から振り返ってみて気づくことも多いもので、
できれば、いち早くその理由・原因を特定して、離職防止の対策を図りたいものです。
では、どうやって事前に特定するか、
今回はいくつかその方法例をご紹介いたします。
◆ 定期的な社員アンケート
[方法] 定期的に社員に対して職場環境や業務内容、マネジメントに対する満足度、働きがいなどについてアンケートを実施します。匿名形式にすることで、社員がより率直に意見を出しやすくなります。
[ポイント] 具体的な質問項目を設け、データとして分析できるようにすることで、定着率に影響する潜在的な問題を把握できます。
◆ 1on1ミーティング
[方法] 定期的に上司と部下が1対1で面談を行い、業務状況や働きやすさ、キャリアの悩みなどを話し合います。業務に関するフィードバックだけでなく、働きがいについての悩みを聞く場とすることが重要です。
[ポイント] 社員が抱えている問題や不満を早期にキャッチし、離職に至る前に対策を講じることができます。
◆ パフォーマンスデータの分析
[方法] 社員のパフォーマンスデータ(評価、成果、休暇の取得状況、出勤率など)を収集し、離職した社員と比較して共通の傾向を見つけます。例えば、低パフォーマンス社員が多く離職している場合、その背後に業務のミスマッチやサポート不足がある可能性があります。
[ポイント] 定量データと定性データ(面談やアンケート結果など)を組み合わせることで、根本的な問題の特定がより効果的になります。
◆ 外部コンサルタントの活用
[方法] 外部の人事コンサルタントや組織診断の専門家に依頼し、客観的な視点から組織の問題を診断してもらいます。第三者の視点で行う調査やインタビューは、社内では見落としがちな問題点を浮き彫りにすることがあります。
[ポイント] 公正かつ客観的な視点を提供し、組織全体にとって価値ある改善点を提示してもらうことができます。
また、これは事前の手段ではありませんが、「離職面談(Exit Interview)」というのも、今後に活かせる方策の1つです。
具体的には、離職を決めた社員に対して、退職理由や職場に対する不満などを率直に聞く機会を設けます。
第三者的な立場の人事担当者や外部コンサルタントが面談を行うことで、より率直な意見を引き出せる場合があります。
離職が決まっていることで、会社への遠慮もなく本音も出やすいと思われます。
このなかでは、「外部コンサルタントの活用」にあたるかと思いますが、私もキャリアコンサルタントとして、社員の方々と個人面談などさせて頂くことも可能です。
守秘義務の関係で会社側に面談内容のアウトプットはできませんが、その分、本音を吐露して頂けることも多々あります。会社に対しては、複数人の面談時など個人情報に配慮したかたちで全体傾向のフィードバックも可能です。
まずはお気軽にご相談頂ければと思います。